ストーンカメオ
「エジプトの女王」
シトリン(黄水晶)、天然真珠、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、ローズカットダイヤモンド、ギロッシュエナメル、18K
4cn×35cm
イタリア 1860年頃
Sold

このカメオの一番の魅力は、透明感のある美しいシトリンを使ってあることです。
厚みのある石で裏をカメオが輝くように奇麗にカットしてあるので、裏から僅かでも光が入るとこのように美しく輝き幻想的な魅力を感じます!♪
これは不透明なアゲートのカメオにない魅力なのです!

しかもカメオを彫ってある部分は、艶消しにしてあるので、光の当たり方でイメージが変化するのが面白いところです。

透明度が高い石のカメオは、下の洋服の色でもイメージが変わるのも付けていて楽しいでしょう♪

シトリン(黄水晶)は今では天然のままで美しい色合いの物はほとんど採れなくなっているので、質の悪いアメジストを加熱処理しているのが大半です。それらの石はシトリン・トパーズなどという情けない名前が付いています(笑)

アンティークのカメオの中でも、このシトリンのカメオのような透明感のある石を使った作品は少ないのですが、それはカメオとして使えるような大きさの石が少ないうえに、アゲートに比べて価格も高く、彫るのがずっと難しいからなのです!(単に固いからだけではなく、欠けやすいなどの性質の違いで彫りにくいから)

それだけに、このシトリンのカメオは、よくぞここまでという手間を掛けて作られています。

頭部にはゴールドとダイヤの飾りが、耳にがローズカットダイヤモンドのピアスが付けられていますが、これらのアビエという装飾はブラッカムーアなどのアゲートやオニキスのカメオならまだしも、シトリンのような、より硬度の高い、彫りにくい石では極めて困難な細工なのです!

右側のピアスのローズカットダイヤモンドは、小さくてもちゃんと雫型のカットにしてあるのを見ると泣けてきますね(笑)本当によくやってますよ。

上部のダイヤモンドは良く輝く上質のオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドで、星形の台座に留められています。しかもオープンセッティングなのは、このカメオが当時如何に高級なジュエリーとして作られたかを示すものです!

下部にダイヤモンドがセットされていますが、中央は星形の台座で、その左右には大きさの違う花びら型の台座にダイヤモンドをセットしてあります。台座の形や石の大きさに変化を付けてあるのは、作者の細部まで気を遣って美しいジュエリーを作ろうとした気持ちの表れです。

このカメオに似合うエキゾチックなデザインのフレームがまた凝った作りなのです!
僅か1cm程の巾の狭いラインに地模様が透けて見える美しいブルーのギロッシュエナメルを施し、その外側には超細密な模様を彫金してあるのですが、よくぞここまでやったものだと感激する手間のかけ方です!

下に下がっている天然真珠の指輪は三個ともとても上質の天然真珠で、特に中央の雫型の真珠は天然の真珠としては価値ある真珠です!
真珠を留めている台座にも美しいギロッシュ・エナメルを施してあるのも良いですね〜♪

優れたカメオほど、撮影するのが楽しいものですが、特にこういうライティングで変化するカメオは時間を忘れてしまいます。


カメオの詳しい説明は《知られざるカメオの魅力》でご覧下さい。

黄水晶 カメオ
裏
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