18世紀 インタリオ
実物大

インタリオ ブローチ
ペルセポネーを奪うハデス
コーネリアン 
イタリア 18世紀 
重量15.2g  
4.2cm×4.8cm
Sold
いや〜、久しぶりにインタリオならではの細密な彫りに感動しました!!♪
10年程前に初めてインタリオを撮影して拡大画像を見た時の新鮮な驚きを思い出しました!

カメオは古代ローマルネサンス、19世紀とそれぞれの時代に人気があったし、レベルは相当に低くなったとはいえ、今でも作られていますが、それは誰にでも解りやすい物だからです。
それに反してインタリオは、カメオ(浮き彫り)とは逆の彫り、つまり沈め彫りというか、モチーフの部分を彫り下げているので、肉眼で見るとその細密な彫りがどれだけ凄いものなのかが全く解らないのです。

え?画像を見れば解るって?いやいや、インタリオは拡大画像では何故かカメオ(浮き彫り)に見えてしまうのです!!
このことを初めて知った時は僕も本当に驚きました!

インタリオとはどんな物なのかが解るイラストをご覧下さい。
カボッション・カットの石に彫ってある図ですが、カメオなら一番出っ張っている犬の鼻の先端を一番深く彫ってあるのが解ります。
カメオなら彫りの具合を目で確認しながら彫れますが、インタリオでは目で確認しながら彫ることは出来ないのです!
だからインタリオは、天才的な建築家がそうであるように頭に3D画像が浮かぶ特殊な能力がないと彫れないものなのです!!

インタリオは彫るのがカメオより数段難しいですし、解りにくい物なので19世紀初期でほとんど終わってしまっているのです。
インタリオは古代ローマに於いては、お守りや印章の役目が主だったので指輪としてとても人気があったのですが、18世紀後期から19世紀初期の最初のカメオのブームがあった時に、人気が復活して有名な作家が出るほどでしたが、19世紀中期にジュエリーの大衆化が進み、二度目のカメオの大ブームの頃にはすっかり忘れられた存在になっていたのです。

だから今ではインタリオは、忘れたら芸術であり知られざる芸術と言えるのです。
例えインタリオの素晴らしい本があったとしても、全部カメオにしか見えないのですから、インタリオの魅力や面白みを知っている人は本当に少ないのです!

僕のギャラリーに来られて実物を見た人は、インタリオがどういう物なのかを知り、目を丸くして驚かれます!そしてその魅力に取り付かれた方が多いのです!

インタリオの魅力は拡大写真でなくても粘土に押せば浮き彫りになるので、その素晴らしい彫りがはっきり解ります。
インタリオの実物を初めて見る人たちは、粘土に押してその浮き彫りを見た時に皆さんが、こんなに細密な彫りだったんだと感動されますが、実物を見ても粘土に押してみないと全く解らないからなのです!

インタリオの最大の魅力は、カメオよりずっと細密に彫ることが出来ることです!!
この「ハデスとペルセポネーとニンフ」の実物大の画像と拡大画像を比較して見れば一目瞭然です!!
拡大画像では、たった2mmしかない人物の小さな顔が表情豊かに彫ってあるのが解ります!!
これはカメオでは絶対に不可能でインタリオで無ければ出来ないことなのです!!

巾が4,2cmの石にこれだけの複雑な構図を彫れるのはインタリオだからです。柔らかで彫りやすいシェルカメオでもここまでの細密な彫りは不可能なのです。

インタリオはカメオのように付け映えする物でないので、ジュエリーとして付けて楽しみと言うよりは、知られざる小さな芸術品を所有する満足なのかも知れませんが、それを手に取って
裏から光り当てたり、粘土に押したりして昔の彫り師の腕を楽しむのは、心を豊かにしてくれると思います。

インタリオは解りにくいうえ知られていないので、その価格はカメオに比べて優れた作品ほどずっと安いなと僕は思います。
まあ、僕がいつも言っていることですが、アンティークの価格はその美術的希少価値に比例するよりも、人気の度合いによって決まってしまうからなのです。

アンティークジュエリーのレベルの低い本が日本で盛んに出版されていた10年ぐらい前、最悪のブラッカムーア(カメオ)が馬鹿げた値段で売られていたのが良い例ですよ。

いろいろな拡大画像を掲載しましたので、次ページもご覧下さい。

《参考》
モチーフの「ペルセポネーを奪うハデス」の物語

ゼウスと豊穣の女神デメテルの娘ペルセポネーの美しさに魅了された冥界の王ハデスは、彼女を妻にする為に強引に彼女を冥界へさらいます。
怒った女神デメテルはペルセポネーの居場所を探しますが、冥界にいるペルセポネーを見つけることができません。
唯一、ニンフがハデスがペルセポネーをさらうのを目撃していました。
ですがニンフはハデスの怒りにふれるのを恐れ、デメテルに事実を話すのをためらうのでした。

《参考》
インタリオが最も人気があったのは古代ローマ時代です。
インタリオに興味を持たれた方はぜひ《インタリオ》のページをご覧下さい。
そして実物を見に僕のギャラリーにご来店ください。きっと感動されること請け合いです!♪

インタリオ アンティーク
 
インタリオの彫り イラスト
 
粘土に押した画像
インタリオは粘土に押すと浮き彫りになるので彫りがはっきり解ります。
拡大画像
フラットな部分が光りを反射るようにするとこのように彫りがはっきり解るのです。炎の中を走る馬の躍動感溢れる姿が素晴らしい!!
馬の表情までもが彫られています。
インタリオ 拡大
これだけ浅い角度で撮影すると浮き彫りではなく、彫り下げてあるのが解ります。

この色が実物に近いです。

透明感のある石なのでモチーフが一部透けて見えています。






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