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フォーカラー・ゴールド ロケット・ペンダント フランス 1860年頃 イエローゴールド(18K)、グリーンゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールド、シードパール 4,8cm×2,5cm×0,6cm(バチカンを含む) 本体 3,1cm×2,5cm 今もこのフォーカラー・ゴールドのペンダントを見ながら文章を書いていますが、このゴールドワークの美しさは、19世紀のジュエリーならではのものがあるなと感じています。 エドワーディアンやデコのジュエリーは、革新的な素材のプラチナの登場で、宝石が主役のジュエリーです。 そういう意味では、現代のジュエリーに近い物です。 |
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それに比べてこのフォーカラー・ゴールドのような、宝石が主役ではなく金細工が主役のジュエリーこそ、アンティークジュエリーならではの魅力があるのです! カラーゴールドは、金に銀、銅、鉄などを僅かに混ぜて作るのですが、経験を積んだ職人の感が頼りの極めて難しい高度な技術が必要とされるのです。例えば、10万円以上もする美術品の本の印刷では、ベテランの職人のインクの調合が重要な役目を果たしていますが、カラーゴールドと同じで職人の感に頼る仕事なのです。現代に於いても本当に美しい物を作るのには、機械では限界があるということなのです。 19世紀のカラーゴールドのジュエリーでは、スリーカラー・ゴールドまでは時々見かけますが、フォーカラー・ゴールドは滅多に出会う物ではありません!!僕も5年ぶりぐらいのような気がします! |
コンピューター解析を使った金属検査機で調べてところ、面白い事実が解りました!! それに濃い黄色の部分は22金を使った物で、非常に珍しいカラーゴールドであることも解りました!! |
シードパールの内側のゴールドワークは珍しいパターンですが、花と同じように日本の金工の魚子のような無数の点を鏨(タガネ)で打ち艶消しにしてあります。 そして、フォーカラー・ゴールドの花を蝋付けしてある部分には、極めて繊細精緻な楕円の線をエンジンターンの技法を使って彫ってあり、その効果で光の当たり方により輝きがクルクル回り、実に美しいのです!!! |
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それに繊細精緻な楕円の線上に彫られた丸い点が、クルクル回る輝きの中にまるで満点の星空のようにキラキラ輝いているのです!!♪ その変化する繊細で美しい輝きの中心に、艶消しの奇麗なフォーカラー・ゴールドの花があるので、まるで舞台の役者が計算しつくされた照明で、ひときわ印象深く目に焼き付かれるような効果があるのです!! この繊細で複雑な輝きの美しさは画像でも、僕がどんなに説明してしても、実物の輝きを自分の目でみないことには分かって頂けないのが残念です。これはぜひ、実物を手に取ってご覧になって頂きたいものです・ |
この拡大画像でフォーカラー・ゴールドの美しい色彩と、どれほど高度な技術で手間を掛けて作ったのかがお解り頂けると思います! 沢山のパーツを作って蝋付けしてあるのですが、小さな花はたった1mmしかないことを考えると、人間技とは思えない繊細で精緻な作りなのです!! しかもすべてに極小の点を鏨(タガネ)で打つ手間を考えると、その圧倒的な手間のかけ方に感動してしまいます!! |
シードパールの内側のゴールドワークは珍しいパターンですが、花と同じように日本の金工の魚子のような無数の点を鏨(タガネ)で打ち艶消しにしてあります。 こういう仕事を見ているといったいどのぐらいの時間を掛けて作ったのだろうと不思議に思えてきますね。 真珠と真珠に間には極小の粒金が蝋付けされていますが、これは目に見えないぐらいの小さな小さな粒金なのです! シードパールは半分にカットされた物ですが、よほど上質の珠を選んだようで、すべて色や照りが揃った実に奇麗な真珠です。ここにダイヤモンドではなく、真珠を使っているのは正解です!控えめな美しい脇役が主役を引き立てるのですから・・。 |
楕円の美しい線はエンジンターンという技法で彫られていますが、これは足踏み式で回転する台に物を乗せて線を彫っているのです。 |
ロケットの中にはガラスの蓋があります。 今でもパチッと音がして完璧に閉まります。 |
裏は凹面になっていますが、これも見た時にシンプルな美しさを感じるものです。 |
バチカンとその根本の金具も素晴らしい彫金で、根本の金具は裏にまで同じ彫金がなされています。 バチカンの裏にはフランスのゴールドのマークである小さなイーグルヘッドと工房のマーク(A&D)があります。 |
バチカンの根本の金具も素晴らしい彫金が成されています。 |