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ストーン・カメオ ルース 石は半透明のアゲートで、自然なグラデーションでありながらハッキリとした色の違いが感じられる三層の石が大変美しく、この三層の色の違いを利用した構図は手前から奥へと遠近感が感じられます。 神々のさりげない生活の一部を題材に選んでいることと、背景の木々、パンサーなどの彫り方は古代ローマのスタイルですが、裏がフラットになっているのは古代ローマのスタイルではありません。また、このような三層の石は古代ローマ時代では大変珍しい石でした。 アンティークの奥深い面白さの一つに、過去にその作品に何が起こったかを考える事がありますが、この作品は、スタイルが古代ローマであるのに古代ローマの作品と言い切れない様々な理由があります。 理由の一つに17世紀に古代のスタイルを模倣する作品が作られていたことがあげられます。道具、素材などから模倣して作られた作品は、その完成度の高さから、年代の判定が困難な場合があるからです。 また、19世紀、人々は古代の美術品に関して、時を経た古代の作品であるという証拠の有無、パティナなどに注意を払わず、作品を磨き直し、形を整えていた為に古代作品の証拠が多く失われた時期がありました。このカメオもパティナは失われ、裏も磨き上げられているので、19世紀に磨かれたものと考えられます。 19世紀に表も裏も磨き直されてしまったことが、この作品がどちらの時代の物であるかの決定的な証拠を消してしまっているのです。 ですが、総合的に判断すると、このような17世紀には選ばれなかった神々の日常を扱ったさりげないスタイル、細部の彫り方などからこのカメオが古代ローマ作品である可能性が非常に高いと言えます。 |
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三層のアゲートはベースの部分が半透明で、無数の斑点がまるで雪が降っているような幻想的なイメージを醸し出しています。パンサー(ヒョウ)にまで斑点があるのが実に面白いです。木製のワインの樽とパンサーは、一番上の明るい茶色の層を彫り残して遠近感を表現してあります。 |
葡萄の実が落ちる様子は動きを感じるもので良いですね〜♪ |
今はフラットで奇麗にに磨かれていますが、本来は凸凹だった筈なのです。 |
三層の石であることが解ります。 |