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今までずいぶんいろいろなタイプのエトルスカンスタイルの作品を扱ってきましたが、金のスカラベが付いた物は初めてです!



1円玉サイズ ←実物大(左と左下)
ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小の比率が分かります。

『黄金のスカラベ』
エトラスカンスタイル ゴールドブローチ
イギリス 1870年頃
18ctゴールド
1,8cm×4,3cm
重量4,9g
Sold


エトラスカンスタイルのジュエリーは、古代エトルリアのゴールドジュエリーに刺激を受けて作られた物ですが、古代エジプトで圧倒的に人気のあったスカラベが付けられているのが面白いのです!!

それは古代エトルリアの文化が古代エジプトの影響を受けていた証だからです!

スカラベは金の板を裏から打ち出した良い作りで、その周りの三本の縒り線と穴の周囲の縒り線は古代エトルリアの縒り線を彷彿させる出来映えです!!

最も細い縒り線は0,1mm程の極細の金線を二本縒った物で、これほど細い金線自体、今では作れる物ではありませんし、それを綺麗に縒ることも不可能なのです!!

縒り線はどこかで蝋付けしてある筈なのですが、それがどこか全く分からないのが素晴らしい!!

小さな粒金は直径が1mmにみたないほどの極小の粒金なのです!!

こんなに小さな粒金を作るのも至難の業ですし、それを正確な位置に蝋付けするのも、高度な技術を要するのです!


この小さなブローチに一つ一つ蝋付けされている数のパーツ数は膨大なものです!!

蝋付けは、金より低い融点の合金(金は1000度で金蝋と言われる合金は約700度)を本体と付ける物の間に挟み、約700度の熱を加えて合金だけを溶かして付ける溶接の技術です。

古代からある金細工の重要な技術ですが、直径1mmもないような極小の粒金を正確な位置に蝋付けするのは、一つだけでも難しいことで、ましてやこのブローチのように沢山粒金やパーツを付けるのは、想像を絶する高度な技術がなけらば不可能なのです!!

現代の手間賃を考えたら、この価格の軽く3倍から4倍もの価格になってしまうでshそうね。
もちろん出来が悪くて・・・。


蝋付けの技術は金細工の基本で最も重要な技術ですが、それが今ではどんどん退化しています。
それは20年程前にレーザー溶接機が開発されて、簡単に早く蝋付けが出来るようになったからです!
でもレーザー溶接では、中まで熱が加わらないので、従来の蝋付けよりも弱く耐久性のうえで問題があるのです!!
レーザー溶接機は最初は1000万円もしていたので、余り普及していなかったのですが、最近では小型の物が、100万円以下で買えるようになり、多くの職人が使うようになってしまっています。
人間はいったん楽に作業が出来る機械を使ったら、元には戻れないのです!!  さから金細工の基本技術の蝋付けの技術の終わりが始まっているのです!!

金細工は便利な機械が全く無かった古代において、最も高度な技術が発達して素晴らしい作品が作られたいるのはその為なのです!!

1870年代にエトラスカンスタイルのジュエリーを作ることが出来たのは、まだ、優れた蝋付けの技術が残っていたらからなのです!!


エトルカン スカラベ リング アンティーク

《参考》
エトラスカン スカラベ リング
レッドコーネリアン
古代エトルリア 紀元前4世紀
11mm×8mm 厚さ5,5mm

あの驚異の粒金で有名な古代エトルリア(ローマ帝国以前にイタリア半島を支配していた民族)のスカラベです!!

この指輪は古代エトルリアのスカラベが付いた指輪ですが、これは古代エジプト文化の影響を受けていることを示すものです。
石が古代エジプトの物には見かけないマット感のある美しいコーネリアンを使っているのが特徴です。

エトルリアは、紀元前8世紀から紀元前1世紀ごろにイタリア半島中部にあった都市国家群で、古代ギリシアとは異なる独自の文化を持っていました。当時としては高い建築技術を持ち、その技術は都市国家ローマの建設にも活かされました。

金細工では、歴史上最も小さな粒金細工の技術を持っていたことでも知られており、信じられないほどの細い金線を使った美しい縒り線でも知られています。

カステラーニの作品や1870年代にエトラスカン・リバイバルとして、繊細精緻なゴールドジュエリーが作られて大変人気がありましたが、古代エトルリアのゴールドジュエリーは、その原点なのです。
画像をクリックしてご覧ください。
エトルリア 地図 《参考》
エトルリアは、紀元前8世紀から紀元前1世紀ごろにイタリア半島中部にあった都市国家群。ギリシャ語ではティレニア 。 各都市国家は宗教・言語などの面で共通点があり、統一国家を形成することはなかったものの、12都市連盟と呼ばれゆるやかな連合を形成し、祭司・軍事で協力することもあった。
『ウィキペディア』
エトルリア 金細工 《参考》
古代エトルリアの素晴らしい金細工
大きさは分かりませんが、耳に付けた物のようなので、大きな物ではないと思います。

それだけに繊細至極な金細工と言えるのです。
もっと大きな拡大画像でないと分からないですが、内側の連続する小さな金のボールには、眼に見えないほどの極小の粒金がびっしり鑞付けされているのです。

それに面白いことに気がつきました!!
外側から三列目の連続する金のボールは、それぞれが金線で回りを囲まれていますが、何と、これは19世紀初期のゴールドジュエリーに見られる『カンティーユ』の一種に違いありません!


カンティーユの原点は古代エトルリアの金細工にあったということなんです!

530〜480 BC
大英博物館蔵
イタリア考古学風ジュエリー カステラーニ アンティークジュエリー  《参考》
左はイタリア考古学風ジュエリーでカステラーニ作と思われる作品ですが、彼の作品が高く評価されたことで、1870年代にエトルスカンスタイルのゴールドジュエリーが作られるようになったのです。


これには素晴らしい縒り線の技術が見られます!
Sold
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