ムーンストーン 彫金 アンティーク

 このブローチの魅力は美しいムーンストーンと、3カラーゴールドの素晴らしい彫金なのですが、僕はそのどちらから皆さんにお伝えするか迷ってしまいます。何故ならどちらもアンティークならではの魅力ですし、甲乙付けがたいからですが、どちらかと言えば僕はやはり当時の職人ならではの見事な彫金からお話したいですね。
 ではまず、彫金からお話致しましょう。彫金は金などの貴金属に模様を彫る技術ですが、アンティークジュエリーでも線で模様を彫ってある物が大半で、このブローチのような浮き彫りは非常に少ないのです!
 花びらの部分は縁を盛り上げて立体感を出してありますし、葉の部分は微妙な立体感を表現してあり、しかもその彫りの技術の巧みさはアンティークでも類を見ないような巧みなものです!♪
 そして花びらも葉もリアルな繊細な模様を彫ってあり、地の部分まで隙間なくびっしりと細かな模様が彫られているのですから驚嘆に値する彫金なのです!
 次にもう一つの魅力のムーンストーンについてお話致しましょう。
 現代の安物の白く濁った石は、ムーンストーンと言う美しい名前に全くそぐわない石ですが、このブローチに使われているムーンストーンは、正にその美しい名前に相応しいファンタジックな石なのです。まるで夜空に輝く満月のように青白い輝きは、典型的なヴィクトリアン・ジュエリーとは違う、後期ヴィクトリアンならではの、控えめで洗練されたヴィクトリアン・ジュエリーに相応しいと言えるものなのです!♪
 
 エドワーディアンやアールデコ初期のスタイリッシュで繊細、エレガントなジュエリーも魅力あるジュエリーですが、それらのジュエリーにはないクラシックな彫金はもっともっと評価されるべきだと僕は思っています。
  この石には表面にごく浅い小さな擦り傷がありますが、100年以上も経た希少価値のあるジュエリーである事を考えれば充分ご納得いただける事だと思います。

 この画像はゴールドが少し青味がかって写っています。実物に近いゴールドの色は次ページでご覧下さい。

いろいろな角度からの画像

ムーンストーン、3カラーゴールド
イギリス 1880年頃
2,3cm×2,7cm



- All Planning, Design & Photo by Gen Katagiri -

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