『ダイヤモンドの本当の美しさは4Cだけでは分からない!!』 日本で販売されている現代のダイヤモンドには、鑑定書なる物が付いています。 そしてGIA(米国宝石学会)が1953年に作ったダイヤモンドの評価基準の4Cを元にしたものが、ダイヤモンドを評価する国際基準として定着しています。(アンティークジュエリーのダイヤモンドは、4Cなどという無意味な物が無かった時代の物なのです) でも海外では3ct以上の大きなダイアモンドにしか鑑定書は付かないのが普通で、やたら「4C」と言うのは日本人だけなのです。 《4Cとは》 colorカラー、クラリティ clarity(透明度ですがキズや内包物に影響される)、caratカラット(重さ・一般的には大きさ) 、cut カット(形の良さ・研磨) の4点でダイヤモンドを評価する基準です。 4Cはコンピューターによる査定の部分も多く、専門家が見て「これは美しい石」と判断されたものではないのです。つまり、4Cは美しさの評価ではないのです! 石のグレードを数値化して、能力のない販売員でも簡単にダイヤモンドが販売出来るようにし、誰でもがダイヤモンドを買いやすくするために、作られたものなのです!! 4Cは1953年に作られていますが、第二次世界大戦が終わり、世界の経済が良くなって出来たので、ダイヤモンドを大量に売るために作られたってことなのです。 ヨーロッパで、2ct台までのダイヤモンドに鑑定書が付かないのは、そんな物は意味の無いことだと、売る側も買う側も知っているからです。 では、美しいダイヤモンド・ジュエリーを購入するのに、なぜ4Cが意味の無いことなのかをお話致しましょう。 《color カラー》 最高値をDから順番にE,F,G…とランクは落ちていきます。 因みにDとFの違いは、ダイヤモンド鑑定の専門家が、自然光を遮断した場所の白い紙の上で、決まった方向からの特別の照明で、マスターストーンと言うカラーサンプルと比較しないと識別出来ない程のほんの僅かな違いです。 それも指輪やブローチなどに加工された物は、枠に使われている素材の色などが影響するので、ルース(裸石)でないと識別は専門家でも不可能なのです! と言う事は、指輪などに加工されたダイヤモンドの色は、余程のランクの低い石以外は分からないということです。 だから次のような現象も起こるのです。 今のヨーロッパでは、プラチナが好まれないので、ゴールドのダイヤモンドリングも多いのですが、この場合は白い高級なダイヤモンドよりも、若干黄色が入っているグレードの低いダイヤモンドの方が綺麗に見えることです。 ゴールド枠だと白い上質のダイヤモンドほど、浮いてしまい綺麗に見えないからです。 どんなに良いダイヤモンドでも、ジュエリーとして身に付けなくては意味が無いのですから、ジュエリーに加工して身に付けた時に美しければ良いのです! だから4Cは、業者は購入者にも分かりやすい数値を見せて、出来るだけ高い物を売りやすくする為の道具に過ぎないのです!!(今時、ダイヤモンドが財産になるなんて思っている人はいないとは思いますが) ダイヤモンドの色を変える技術は、年々高まっていて、中には原子炉を使った人工処理された石まであるようです。 今のところは、色石とは違って処理された石かどうかは鑑定出来るようですが・・。 【アンティークのダイヤモンドのカラー】 石がルース(裸石)の状態ではないので、ダイヤモンドの鑑定は出来ません。 肉眼で見た時に美しければ良いということです! ダイヤモンドかイミテーションかは鑑別出来ますが、それは作りを見れば分かることなので、必要ないことです。 アンティークのダイヤモンド・ジュエリーのイミテーションは、ペースト(ガラス)ですが、これは作られた目的が ごまかすためではなく、違う目的の為ですし、誰にでも簡単に分かる違いがあります。 ダイヤモンドの色を変える技術は、僕が扱っている1930年代までは無かったので100%が人工処理されていない天然のままの石です!!
『cut カット(形の良さ・研磨)』 ダイヤモンドのカットの良し悪しはダイヤモンドが美しく輝くための重要な要素です。 でも鑑定書の4Cで評価されるのは、コンピューターを使った機械で、最良とされるカットにどれだけ近いかを測定した数値なだけです。 そんな機械で測った数値だけでダイヤモンドの美しさが分かる訳はありません!(笑っちゃうしかない) 【アンティークのダイヤモンドのカット】←クリック アンティークのダイヤモンドは時代によって全く違います。 1868年に南アフリカで巨大なダイヤモンド鉱脈が発見され、ダイヤモンドがそれまでよりずっと多く市場に出まわり始める1870年代からのダイヤモンドラッシュ以降と、それ以前では、ダイヤモンドの質やセットの仕方がまるで違いますし、デザインにも相当な違いがあります。 《クラリティ clarity(透明度ですがキズや内包物に影響される)》 ダイヤモンドの透明度を測る基準で、FLからI3まで、全部で11段階ありますが、インクルージョン(内包物)があるかどうかと、その度合いを表すのです。 インクルージョンが少ないほど、透明度が高くなるので美しいと感じる訳です。 インクルージョンにも種類があり、カーボン(黒い点)、内包結晶(クラウドと言う白っぽい濁り)、割れ(ヒビの様に見えるもの)などがありますが、その大きさや場所によっては、肉眼で見る限りはほとんど輝きに影響しない場合もあります。 最近はインクルージョンを目立たなくする技術が開発されており、人工処理されたダイヤモンドもあるのです。 信頼出来る鑑定機関での鑑定書には、それらの処理をしてあるかどうかの記載はしているようですが、 色石の人工処理が100%鑑別出来ていないことを考えると、これからは人工処理の急激な進歩により、100%の鑑定が出来なくなる可能性もあると思います。 現在でもディープ ボイリングという、強い酸によって、内包物(インクルージョン)を取り除く処理は、GIA によって唯一認められた透明度を改造する方法で、この処理が行われても鑑定書に記述する必要がないのです。(詳しくは《現代の人工処理されたダイヤモンド(トリートメント)について》でご覧下さい。 ※現代のダイヤモンドのほとんどはこの処理を行っているのです!! もちろんアンティークのダイヤモンドジュエリーでは、インクルージョンなどの欠点を目立たなくする技術は無かったので、天然のままの石しかありません!! 《caratカラット(重さ・一般的には大きさ)》 1カラットは0,2gです。 これもルースでないと計れないので、アンティークジュエリーでは、ダイヤモンドゲージで計ったおおまかな数値になります。
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