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17世紀期 ダブルフェイス・カメオ
僕はこのカメオの作者が、赤の色を含む層を持つ極めて珍しいアゲートを手に入れ、キリストの血をイメージしたに違いないと思っています! 赤を含む言葉で表現出来ないような、斑のある自然の石ならではの色合いと、美しい艶はきっと作者の創作意欲をかき立てたことでしょう。 このアゲートは透明感のある石だけに、光の当たる角度で微妙に変化するので撮影しても時間を忘れるほどでした。 19世紀のカメオブームが始まると、商品として売れることを第一に考えた奇麗ではあっても面白みに欠ける石を使ったカメオが沢山作られるようになりますが、このカメオが作られた1600年代は、一部の彫刻を見る目を持つ人たちの為に作られたカメオだけなので、ほんの僅かな数しか作られていなかったのです。このカメオが作られた少し前のルネサンス期のカメオは、ダヴィンチやミケランジェロの絵画に匹敵するような驚くべき高い評価を受けていましたし、その価格も有名な絵画に匹敵するような価格だったのです!! だからこそ、このような見たこともないような珍しいアゲートを使い、変化に富んだ石の持ち味をフルに活かした、アーティスティックな作品が作られたのです! 18世紀末期から19世紀のカメオにも優れたカメオがあるのはもちろんですが、このカメオのように古い年代の作品には、技術的なことや完成度の高さなどを超越した芸術という言葉が似合います! ダブルフェースのカメオは19世紀中期のシェルカメオで、人気があったので時々見かけますが、ストーンカメオでは非常に珍しい物です! シェルカメオは材料費がタダみたいなものだし、柔らかくて簡単に彫れるから現代のつまらぬ作家物が沢山作られています。 ストーンカメオはアゲートなどのシェルとは比較にならない硬度があるし、カメオに使えるような魅力的な層を持つ石は極めて少ないので、ダブルフェースのストーンカメオは、19世紀のカメオの大ブームの頃の物でも、見た記憶がありません! 18世紀に作られたフレームには、天然ならではのまろやかな美しい真珠が使われていますが、半分にカットした真珠として少し大きめで、やはり天然しんらしい形です。200年もの時が過ぎてもこれだけ奇麗な状態なのは、養殖の真珠では到底考えられないことです! 古い年代の貴重なカメオだけに、特別に上質の真珠を使っているのだと思います。 カメオの詳しい説明は《知られざるカメオの魅力》でご覧下さい。 |
フレームの裏を見れば19世紀のフレームと違うことが分かります。石の裏も見えますが、変化に富んだ実に面白い石なのです。バチカンはずっと後で着けられた素人細工のような物なので、これに似合う良いバチカンを作ります(別料金) |
一番上の層が透明感のあるのが分かります。実に美しい!♪ |
固い石でこのようなダブルフェースを彫るのは至難の技なのです! |
天然の真珠は200年は楽に美しさを保つ証です。それにしてもまったりした実に美しい真珠です! |