ヴィネグレット(気付け薬入れ) 『矢と矢筒』 トルコ石、エメラルド、ルビー、18〜22K イギリス 1820年頃 Sold ヴィネグレットはローズウォーターなどの鼻につんと来る気付け薬を入れる物で、銀で出来た実用的な物が大半ですが、中にはこの『矢と矢筒』のようにゴールドと宝石をあしらった贅沢な物があります。 19世紀初期の貴族の男性が好む女性は、健康で溌剌とした女性ではなく、弱々しいイメージの女性でした。だから意中の男性と一緒の時に男性のの心をつかむ為に失神したふりをするのです。 そしてその時こそ男性にとっては恋が実るチャンスという訳で、失神した女性を快方する訳ですが、その時に使うヴィネグレットは銀の地味な物では効果がありませんから、この『矢と矢筒』のような愛をテーマにしたデザインで、見事な細工の美しい物を使う訳です! ヴィネグレットは蓋を開けた時にみ美しい物でなければならないので、内蓋は必ず奇麗な透かしになっていますが、これも矢の形の美しい透かしです。 ヴィネグレットは美しいデザイン、素晴らしい細工の物ほど男性の物なのです! この『矢と矢筒』のヴィネグレットは、チェーンで衣服のどこかに下げた物だと思います。ブローチのピンは後で付けられた物だと思います。 ヴネグレットのような当時の生活風俗が解るジュエリーもアンティークジュエリーならではの楽しい物ですね♪
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