今回、偶然にも比較すると面白い二つの古代ローマの指輪が入りましたので、このページを作りました。

一つは古代ローマの指輪に使われる石では最も人気のあったニコロ(天然のままのオニキス)を使っていますが、もう一つの指輪は、偽物のニコロ(ガラス)をセットした指輪です。この二つを比較すると、いろいろな面白い事実が解るので、二つの指輪の画像を見て頂きながらお話致しましょう。

古代ローマ ニコロ風グラス・インタリオ リング 

北フランス 3世紀
22〜24K、グラス・インタリオ 
重量5.8g
ベゼル1.4cm×1cm
Sold
※すべてオリジナル!

古代ローマ時代に、指輪では最も人気の高かったニコロ(天然のままで薄い水色の層を持つオニキス)が全く採れなかった北フランス地方では、このようなニコロ風のガラスのインタリオが作られたようです。普通はイミテーションのインタリオやカメオがセットされた指輪は、当時も価格が安かったので、金は使いませんし、使ってももっと薄くてちゃちな作りなのですが、この指輪の作りはまるで本物のニコロの指輪のような良い作りです!!

これはガラスのニコロではあっても貴重な指輪として人気があったのか、それとも偽物のニコロで一財産築く為にわざわざ金で高そうに見える指輪を作って本物並の高い値段で売ったのか興味は尽きません。ガラスのインタリオやカメオは、型を一つつくればいくつでも作れますからね。18世紀後〜19世紀初期のタッシーグラスのカメオも、製作者のタッシーは大儲けしたと言われています(笑)

そして今、本物のニコロが付いた出来の余り良くない指輪よりずっと高い価格が設定されているのがまた面白いではありませんか。
これは壊れやすいガラスのニコロ風インタリオが付いた古代ローマの指輪は、とても希少価値があるからなのです!

まあ、言ってみれば、切手のコレクターが出来損ないの物を高価な値段で買うのと同じことなのでしょう(笑)。
僕にもコレクターの心理は理解出来ません(笑)。

 

 

古代ローマ ニコロ・インタリオ リング
《マーキュリー》


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