ヘルメス（エルメス）は、商業の神であり、旅人の神であり、使者の神でもあります。
翼の生えた靴を履いて、風よりも早く走り、手には使者の役を示す杖を持っています。
神々の中でも最も頭が鋭く、すばしっこい神です。

この神の属性の本質は、商人、旅人、使者の三つにあります。 この三つの属性は、現代の感覚からすると、全く関係のない別個のもののように感ぜられますが、 実はそうではなく、古代においては、この三つは同一のものの三つの側面なのです。

古代において商業とは行商を意味します。陸路をたどり、あるいは海路を越えて商品を運んだ。 従って、彼らは旅人でもあるのです。いや、旅をするのは殆ど商人に限られていたのです。 そして彼らは情報の運搬者でありました。 遠い国の出来事を伝えてくれるのは彼ら行商人であったのです。 情報を運ぶのは彼らのみであり、 彼らは情報を運ぶ使者だったのです。

ヘルメスのシンボルである杖は、医療に携わる人や機関のシンボルにも使われています。