ニコロ(アゲート) インタリオ・リング 『SUB CRUCE SPES MEA(my hope is underthe cross)』 ニコロ(アゲート)、18k ベゼル2.1cm×1.5cm サイズ26.5号(サイズ変更可能) フランス 1870年頃 Sold
このインタリオには独創性を感じます! ニコロの使い方が非常に面白いのです。 古代のインタリオでは、ニコロの使い方は二つの使い方があります。 一つはAのように水色の層を上にして使い、モチーフが立体シルエットのように見えるもので、ファンタジックな雰囲気が魅力です。これが最もオーソドックスなニコロの使い方です。因みにこの犬のインタリオは古代ローマ1世紀頃の物ですが、犬好きの裕福な人物が死んでしまった自分の飼い犬を彫らせて、愛しんでいたのかも知れません。こういう古代ローマ人の息吹が感じられるインタリオも良い物ですよ♪ もう一つはBのような使い方で、三層の層を持つ厚みのあるニコロを使い、水色の層を三層の中間になるようにカボッションカットした物です。これは少し斜めから見た時に実に美しいですし、正面から見た時にはモチーフが水色の縁取りに囲まれて見えるので視覚的な面白さがあります。 そしてこの紋章のニコロのインタリオは1870年頃の物ですが、古代のニコロのインタリオとは違う独創的な発想で作られているのです! この紋章のインタリオは逆に白い層を下に濃い茶色の層を上にして使っています。 濃い茶色の部分を彫って紋章を白で表し、紋章の最上部の旗にはマルチーズクロスが彫られていますが(C)、これは『SUB CRUCE SPES MEA(my hope is underthe cross)』と文字が彫られている部分と同じ方法で、作者の素晴らしいセンスと独創的な発想に感心してしまいます! Cの旗と文字が彫られているリボンのような部分は、地の濃い茶色よりも薄茶色でそこに白いクロスと文字が彫られていますが、薄茶色の部分は染めた訳ではなく、上層部の濃い茶色の部分を浅く彫ることで、下部の白い層の色が反映されて薄い茶色に見えるのです!そしてさらに深く彫ることで文字が白く浮かび上がるということなのです。 それにしてもこの紋章のインタリオは実に細密な彫りで驚かされます! 旗のクロスの大きさはたった1mmぐらいしかないと思いますし、細長い旗がポールに巻いている様子も丹念に表現してあるのですから・・。それに細長い旗の先端が緑色に見えますが、これは自然の石の成せる技というべきもので、石の斑がたまたま旗の先端と重なり面白い色彩になったのです。 文字が彫られているリボンの拡大画像をご覧下さい。 リボンの縁が白く縁取りされているのと両端が折れ曲がっている部分にご注目!! 白い縁取りは文字と同じで彫ってあるので白く見える訳ですが、このリボンの巾はたった1mmぐらいしかない細い物なのを忘れないでくださいね。そしてそこに文字を彫っていることも・・。 文字が彫られているリボンの先端の彫りも繊細精緻なもので嬉しくなります。 この指輪のシャンクもモダンなデザインの珍しい物です!。
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