TOP (カタログ) |
メールマガジン | お問い合わせ (メール) |
Genと小元太の フォト日記 |
セミナー &クイズ |
アクセス・地図 |
この18世紀の極めて希少価値の高いダイヤモンド・ブローチの美しさを画像で分かって頂くのは難しいので、まだ仮予約になっていないのだと思います。 そこで皆さんにこの素晴らしい古のダイヤモンド・ブローチの魅力を知って頂く為に、実際に洋服に付けた画像を見て頂くことにしました。 どうでしょう? とっても良いでしょ♪ このダイヤモンド・ブローチは、洋服とのマッチングが良ければこんなに付け映えするのです!!♪ エドワーディアンやアールデコのプラチナとダイヤモンドのブローチとは全く違う魅力があるのです! 渋い銀のフレームに約300年もの時が経った古のダイヤモンドの輝きは、キラキラと輝く普通のダイヤモンドとは違い、抑制された趣のある輝きで、とてもシックな雰囲気にたまらない魅力を感じます!♪ 皆さんにも、ぜひ、手に取って見て頂き、実際に洋服に付けてみて頂きたいです。 これだけ古い年代のダイヤモンド・ブローチを付けている人は、日本にはほんの僅かしかいなのですから・・・。 |
18世紀ダイヤモンド ジュエリー フランス又はイギリス 1700年〜1750年頃 ローズカットダイヤモンド、ステップカット・ダイヤモンド、フラットカット・ダイヤモンド シルバー 4,3cm×5cm 重量14,5g (ゴールドのブローチ加工は19世紀の物) このダイヤモンド・ジュエリーは、ブローチの金具が付いていますが、これは19世紀になってから付けられた物で、これが作られた当時はドレスに縫い付けて使っていた物です。 紀元前のエトルリアの装身具で、フィビュラというピンで衣服に留める装身具がありますが、これはブローチとは違います。 フィビュラは衣服を留めるのが目的なのに対して、ブローチは純粋に衣服を飾る目的で作られているからです。 このダイヤモンド・ジュエリーは、ドレスに縫い付けて留めていたのですから、ピンで留めるブローチがまだ無かった時代の物なのです。 ルネサンス期のジュエリーでもブローチは無かった筈で、ピンで留めるブローチが登場するのは、おそらく18世紀中期以降のことだと思います。 ですからこのダイヤモンド・ジュエリーのような装身具は当時何と呼ばれていたのか興味あるところです。 |
||
ドレスに縫い付けるための部分。 |
19世紀のダイヤモンド・ジュエリーは、ダイヤモンドを留める部分は銀で裏を金にしてありますが、これは金でダイヤモンドを留めると金の色がダイヤモンドの透明感に影響を与えてしまうのを避ける為で、裏を金にするのは衣服を汚さない為なのです。 18世紀以前のダイヤモンド・ジュエリーは銀又は金だけで、銀と金を貼り合わせた物は作られてはいないのです。(18世紀末には銀と金を貼り合わせた物があるかも知れませんが) この18世紀中期以前に作られたダイヤモンド・ジュエリーは、如何にも古い年代のダイヤモンド・ジュエリーらしいカットが見られます。 ローズカットでも19世紀の物のように規格化された円形ではなく、実に様々な形があり、中には何でもこんなに歪な形なんだろうと不思議に思えるほどです。 それはもしかしたら、ダイヤモンドの流通量が19世紀に比べて極端に少なかっただけに、前の時代に作られたダイヤモンドを外して使っているせいかも知れません。 19世紀初期から中期までのダイヤモンド・ジュエリーの多くはクローズドセッティングで、石の下に金属箔を敷いて良く輝くようにしてあるのですが、18世紀中期以前の場合は、まだ石の下に金属箔を敷いていない可能性があると思っています。 何故ならこれだけ多数のダイヤモンドが一様に変色しているように見えるのは、ダイヤモンドの下の銀が硫化現象で変色しているからだと思われるからです。 夜、蛍光灯以外の灯りの下でこのダイヤモンド・ジュエリーを見ると、一見黒ずんだダイヤモンドに見えても、19世紀の唯汚いだけの粗末な作りのダイヤモンド・ジュエリーとは全く違う何とも味のある輝きは、石の下に金属箔を敷いていないせいなのかも知れません。 |
||
センターのダイヤモンドのカットは実に面白いカットです! 一見ステップカットのようにも思えますが、左右の長い部分は直線ですが、上下が半円形なのでステップカットとは違うのです。ステップカットは正方形又は長方形ですから。 しかもローズカットのように下がフラットではなく、ステップカットに近いカットなのです! 変形のオールドヨーロピアンカットとも言えるような、過去に例のない極めて珍しいカットです!! |
||
このカットとセッティングも非常に面白いです!! 四個並んでいる石で中央の二個は、ステップカットで、左右の二個はトライアングル・カットのような三角形ですからね〜!! しかも爪止めではなく、まるでエドワーディアンから登場するカリブレカットのようなイメージを感じます! 僕はこれがカリブレカットの原点のように思えるのです!! |
||
このダイヤモンド・ジュエリーには、このようなカットの小さなダイヤモンドが沢山使われていますが、このカットはインドのムガール・ジュエリーに見られるフラットカット・ダイヤモンドに似ていると言えるかも知れません。 表面が全くフラットなのです。 |
18世紀中期以前のダイヤモンド・ジュエリーで、これだけふんだんにダイヤモンドを使った物は、非常に少ないのです! 左下の画像は、ノルマンディー地方で18世紀後期に作られたダイヤモンド・ペンダントですが、とても小さなローズカットダイヤモンドで数もたった6個しか使われておりません。 この18世紀中期以前のダイヤモンド・ジュエリーは、 フランスで言えばポンパドール夫人の頃で、その頃の照明は一般の住民は獣の脂を使った酷い匂いの灯りでしたが、宮廷や貴族の館では非常に高価な蜜蝋で作られた蝋燭が使われていたのです。 因みにポンパドール夫人の年間に消費したいろいろな物のリストが残っているのですが、その中で最も莫大な金額なのが蝋燭代なのです! それ程までにお金を使ってまで蝋燭の灯りを灯したのは、このようなダイヤモンド・ジュエリーが蝋燭の灯りで美しく輝くことを求めたからなのです!! 現代のように誰もがダイヤモンドの指輪を買える時代とは違い、ダイヤモンドをカットする技術が開発され てそれ程経っていない時期で、インドでしかダイヤモンドが採れていないことを考えると、このダイヤモンド・ジュエリーがどれだけ貴重で高価な物だったかが解るというものです!! おそらく王族または貴族のような特別の人たちだけがダイヤモンド・ジュエリーを持てた時代だったのです。 この古のダイヤモンド・ジュエリーは、電灯の灯りで見ると何とも言えない魅力的な輝きがあります!! 石の下の銀が硫化して変色していますが、これだけ美しく輝くのはきっと照りの良い石が使われているからだと思います!! 19世紀以降のダイヤモンド・ジュエリーとは違う、趣のある古の輝きはきっと貴方の心を捕らえて放さないでしょう! |
|
銀の作りはとてもしっかりした良い作りで、250年から300年もの使用に耐えてびくともしないのです! このような古い年代のダイヤモンド・ジュエリーは、ミュージアム・ピースと言えるレベルの物なのです! |
ブローチのピンは、19世紀に付けられた物ですが、銀台に合わせた丁寧な作りです。 一番下に下がっている揺れる構造のダイヤモンドの左右にあるリングは、衣服に縫い付けるためのリングです。 |
|
センターストーンの裏には、18世紀らしい彫金がしてあります。 |