100円玉の大きさ
アールヌーヴォー エナメル・ブローチ

イギリス 1890年〜1900年頃
ギロッシュエナメル、15ctゴールド、天然真珠 
2.1cm×3.8cm
重量5.6g

小さなブローチですが、淡い緑と淡いオレンジの濃淡のあるエナメル、繊細の彫金の
枝、そして美しい天然真珠と、エナメルを使ったアールヌーボーのジュエリーならではの魅力が感じられる秀品です!♪

エナメル部分は、葉脈を表彫った金の葉の上に半透明のギロッシュ・エナメルが施されています。

エナメルの色は淡い緑〜淡いオレンジですが、下地の金の色が反射して光の加減や角
度によっては葉が黄金色に見えるときがあり、半透明のギロッシュ・エナメルならではの幻想的な色と光の変化が楽しめます!!♪



また、葉の部分の表現は自然な膨らみがあり、立体的で先端が少し反り返っていると
ころなど小さくても細かな部分まで気を使った立体感のある作りです!!♪


枝部分も木の模様を表現した細かな彫金が施されていますが、リアリティーを感じる素晴らしい仕事です!!天然真珠の白がとても良く映えています。

太陽の光の下で見ると、エナメルと金の輝きがとても美しく、思わずうっとりしてしまいます!♪

エナメル部分の縁がほんのわずダメージがありますが、問題の無い範囲です。


とても小振りで使いやすい葉のデザインのブローチですので、これなら、幅広い装いに似合いますね♪


この価格帯でこれだけ魅力満載のジュエリーは、ルネサンスだけ!!♪


《同じ縮小率なので大きさを比較して頂けるページ》をご覧下さい。


左右の茎の断面にまでリアリティーを感じる彫金を施した細工は、作者のセンスの良さと美しい物を作ろうという心行きを感じます!♪
天然真珠らしい歪な形と斑のある照りは、意識的に選んだ筈で、こういう所にもアーティティックなジュエリーを作ろうとした作者のポリシーが感じられるのです。
三枚の葉が立体的に作られているのが分かります。
  裏は一見変色したようにも思えますが、これは最初からこういう仕上げにしたように思えます。
葉の裏にマークが二つありますが、工房のマークだと思います。
工房に付いてはいまのところ、情報はありません。


茎には15Cと彫って刻印があるので、おそらくイギリスで作られた物でしょう。

15金はイギリスだけで使われている純度だからです。

茎の部分が15金なので、渋い感じが返ってリアリティーを感じて良かったように思えますね。

イギリスではアールヌーボー様式のジュエリーは好まれなかったなので、このブローチのようなアールヌーボーの優れたジュエリーが作られていたのは不思議です。
(イギリスではアールヌーボーのようなアートを意識したジュエリーとして、アーツ&クラフツがありますが、作家物ではあっても技術的にはレベルが低く、その割り価格が高いので、僕は余り扱っていないのです)

これとよく似たフランスのエナメル・ブローチがカタログに載っていますが、もしかしたら、この作者はフランスの工房で修行して、英国に帰国して制作活動をしたのかも知れないと思っています。

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