ロシア アンティークジュエリー 実物大
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天然真珠

ロシアン パール&ダイヤモンド ペンダント

ロシア(モスクワ) 1910年頃
天然真珠、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、ローズカットダイヤモンド
プラチナ
4,2cm×2,5cm
重量 7,8g
18Kホワイトゴールド・チェーン(モダン)41cm
Sold
やはり、ロシアのハイクラスのジュエリーは、ヨーロッパのジュエリーとはひと味違う個性がありますし、より贅沢な素材の使い方などの特徴があるのが魅力です!

メインの天然真珠は唯奇麗なだけの珠ではなく、シルバーグレーとパープルゴールドとでも言えるような美しい斑があり、こういう珍しい天然真珠を特別に選んで使っているところが、ロシアのジュエリーならでと言えるのです!

このペンダントが作られたのは、イギリスで言えばエドワーディアンですから、普通ならプラチナにゴールドバックな筈ですが、これは何とすべてプラチナだけで作られています!!

プラチナの出がけの時期で今の数十倍はしたと言われるこの時期としては、考えられない贅沢な素材の使い方なのです!

ダイナマイトの発明で巨万の富を得たスウェーデンのノーベル一族がオーダーした、ファベルジェのスノーフレークのダイヤモンド・ブローチは、すべてプラチナで作られていましたし、僕が以前に扱ったロシアのスノーフレークのブローチもすべてプラチナで作られていましたが、当時プラチナは、ロシアが世界で唯一の産地っだったと言うことが頷けます。

脇石のダイヤモンドも大きくて厚みのあるクリーンな石で、カットもとても良い石が使われています。

透かしの模様もどこかエキゾチックな感じですし、全体がプラチナの板から糸鋸でくり抜いてあり、透かしがすっきり見えるように特別の工夫がしてあるのです!

正面からの画像では、外側のフレームと内側の透かしの部分が別々に作られて蝋付けしてあるように見えますが、裏から見ると実はすべて一体であることが解ります!

こういう手の込んだ、一手間多く掛けた作りの良さがロシアのハイクラスのジュエリーの特徴なのです!!

そこには、ヨーロッパのジュエリーよりも良い物を作ろうとしたロシア人のプライドのようなものが感じられて興味深いですね。

外側のフレームの独特の曲線のデザインはとても珍しい物ですが、それもその筈で、プラチナの板を糸鋸で挽いてヤスリで仕上げる作業は大変な手間が掛かるからなのです!
これは採算を考えたらとても作れるものではないのです!

最後にもう一つ、ヨーロッパのジュエリーだったら、絶対にこんなことはしないだろうなと思えるような細工があるのです。

このペンダントには、15個の大きなダイヤモンドが使われていますが、そのすべての石の上下或いは左右に極小のローズカットダイヤモンドが留められているのです!!

肉眼では見えない程の極小のダイヤモンドで、ルーペでも石が付いているのかどうかが解らない程のとても小さなローズカットダイヤモンドです!!

まあ、ここまでやるのがロシアのジュエリーらしいところなんですよ!

極小のダイヤが一個だけ外れていますが、これは許してあげましょう(笑)。


このペンダントは、裏の状態が余りにも奇麗なので、もしかしたらゴールドバックだった物を1920年代になってから裏をロジュームメッキした可能性もあると思い、金属検査機で調べてもらったのですが、裏も間違いなくプラチナだということを確認しました。普通なら裏は摩耗して細かな傷が付いているものですが、このペンダントは余程大切にされてあったせいか、まるでロジュームメッキしたように奇麗な状態なのです。

このペンダントに使われているダイヤモンドは、普通の石に比べて可成り厚みがあり、カットの形状も丸味を帯びたような特別のカットです!
そのクリアな素晴らしい輝きにはきっと驚かれると思います。

真珠の上のダイヤは僅かに黄色みを感じる石が使われていますが、これは自然の美しい斑のある天然真珠のイメージに合わせて特別に選んだ石だと推測しています。

とにかくこの天然真珠とダイヤモンドのネックレスは、革命があったロシアならではのドラマチックな面白さを感じますし、ロシアならではの数々の特徴を備えた実に美しいペンダントです!!♪



ロシア アンティークジュエリー
モスクワ ホールマーク
モスクワのホールマーク

このロシアのペンダントには、革命前のロシアのホールマークとは違う物が付いていますので、それを調べていたのですが、面白い事実が解りました。

このペンダントに付いているマークは、ハンマー、モスクワを現すデルタのギリシャ文字と数字の950ですが、革命前はプラチナや金の純度を現すのに千分表示ではなく、百分表示(14Kの場合は56などと表示)です。
ハンマーは革命政府(ソヴィエト政府)になってから使い始めたマークで、その左に本来なら女性労働者の横顔のマークがある筈ですが、このペンダントでは判別不能の状態です。革命前の物には男性の横顔(ココシニコフ)が付いています。

これらのマークは革命以降に使われた物ですが、赤軍と白軍との内戦が始まり、市場経済の廃止もあって国内の経済は大混乱に陥ったのですが、さらに1920年〜1921年の干魃が追い打ちをかけ、その疲弊した経済を良くするために1922年から1928年にかけてネップ(新経済政策)が実施され、一部の市場経済を復活させました。

その時に皇帝一族や貴族から没収した宝飾品を売りに出し、主にアメリカの主要都市で行われた展示会で販売されたのです。
その中にはファベルジェのインペリアル・イースターエッグ10個も含まれており、それがフォーブス社のコレクションになったのです。
そのコレクションも最近、ロシアの富豪がオークションで落とし、ロシアに里帰りしたことはご存じのとおりです。

だから、このロシアのペンダントは、貴族から没収したダイヤモンドが付いた高価な物だっただけに、ネップ(新経済政策)が行われていた1922年〜1927年の間に、マークを付けて海外に売りに出された物なのです。

ネップ(新経済政策)が行われていた時期に、ネップマンと言われた私的商人・私的実業家向けのジュエリーが作られているようですが、当然、革命前のロシアのジュエリーのような高度な技術と圧倒的な手間を掛けたようなジュエリーとは違う、格段にレベルの低いジュエリーだったのです。

革命前のような高度な技術は、常時作り続けていないと維持出来るものではないのです。ロシア革命のような大混乱と疲弊しきった経済の中では、高度な技術は到底維持出来るものではありません。

それに貴族のような美意識の高い良い物を見分ける眼をもった裕福な人たちがいなくなってしまっては、高度な技術を維持出来る筈はないのです!

だからこのロシアのペンダントは間違いなく革命前のロシアで作られた物だと僕は確信しているのです!

このロシアのペンダントは、一度革命政府に没収されて、その後売りに出されてアメリカ経由でヨーロッパに来て、日本にまで来てしまったのです。


ロシア アンティークジュエリー ロシア アンティークジュエリー
美しい斑のある真珠と贅沢なダイヤモンドの使い方、それに繊細精緻なミル!

このような曲線の透かしを糸鋸で挽いて作るのが如何に大変なことか!

だからこういうデザインのジュエリーは滅多に見る物ではないのです!!ロシアのジュエリーならではの細工なのです!!
ロシア アンティークジュエリー
脇石のダイヤモンドも大きくて厚みのあるクリーンな石で、カットもとても良い石が使われています。
ロシア アンティークジュエリー ロシア アンティークジュエリー
ロシア アンティークジュエリー 裏
表も裏も全く同じような完璧な仕上げで、コンディションの良さもパーフェクトと言えるレベルですが、こんなに良いコンディションの物は極めて珍しいのです!
革命の嵐を逃れて亡命したロシア貴族が持って国外に出たであろうことを考えると、ロシアのジュエリーにはドラマチックなものを感じます。
実物大 18Kホワイトゴールド・チェーン(モダン)41cm


チェーンはアンティークではありませんがしっかりしたチェーンです。
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