ルネサンス様式エナメル・ミニアチュール（細密画）　ブローチ

フランス　1880年頃
ルネサンス様式エナメル・ミニアチュール（細密画）、18K、面取りガラス
4,8cm×3,4cm
重量23,2g

ルネサンス様式の美しい細密画のブローチでフレームの作りは非常に優れています！

まず注目すべきは、小さな細密画なのに八角形のとても厚い面取りガラスがでカバーされていることです！

エナメルでないミニアチュール（細密画）は、象牙又はマザーオブパールに専用の絵の具で描いた物で、細密画を保護する為にガラスでカバーされています。

エナメルのミニアチュールの場合は、エナメル自体がガラス質なので退色することはなく、従ってガラスでカバーする必要はないのです。だからこのエナメル・ミニアチュールにガラスのカバーがしてあるのが不思議なのです！

始めはガラスのカバーがあるので、普通のミニチュールかと思っていたのですが、中央の二人の人魚のような天使を囲む金色の円形のラインをよく見ると、これは明らかにベースの金の板を彫って模様を彫ってあるのが分かります！！

だから象牙やマザーオブパールに描いた細密画ではなくて、金の板にエナメルで描いたエナメル・ミニチュールだと判断したのです。
八角形のフレームは立体感のある見事な作りで磨きだしていますが、上下左右の装飾はタガネで非常に細かな模様を打った艶消し加工がしてあります。

一部に粒金のような装飾がありますが、これは金の板から彫りだしてあるのです！

ルネサンス様式の美しいエナメル・ミニアチュールと格調高く素晴らしい金細工のフレームは、このブローチが19世紀後期のフランスでハイグレードなジュエリーとして作られたことを物語っているのです！！♪

だからエナメル・ミニチュールなのに特別に面取りガラスのカバーを付けてあるのです！

エナメルに付いては《知られざるエナメルの魅力》でご覧下さい。