シェルカメオの傑作！！
『美の女神アフロディーテ（ヴィーナス）』
イタリア　1860年頃
シェル、18K
5cm×4,2cm×1,9cm
重量19,8g
アンティークのカメオは大きく分けてストーンカメオとシェルカメオの二つがありますが、シェルカメオは薄いので立体的な彫りが出来ないの欠点です。
でもこの『美の女神アフロディーテ（ヴィーナス）』は滅多に見ることのない突起状の貝を使っているので、まるでストーンカメオのような、いや、ストーンカメオ以上の立体感を出した彫りが可能なのです。
しかもこれだけ立体感のある彫りなのに、同じぐらいの大きさのストーンカメオに比べて半分以下の重さなので、とても使いやすいのが魅力です。突起状の貝は裏が大きくへこんでいますし、貝自体が軽いからです。

それにシェルはストーンよりも柔らかなので、ストーンカメオのような硬質感がなく、その柔らかなタッチを活かして、アフロディーテのような美しい女性の顔を彫るのに適しているのです。

シェルカメオの良し悪しの簡単な見分け方は、仕上げの磨きをを見れば一目瞭然です。
優れたアンティークのシェルカメオと現代のシェルカメオではは、生きている貝と死んだ貝の違いのように違うのです。

アンティークのシェルカメオは、この『美の女神アフロディーテ』のような最高ランクの物から、もらっても困るような物まで極端なレベルの差があるのが、ストーンカメオとは違うところです。
ネットで｢アンティーク　シェルカメオ｣で検索してみれば一目瞭然です。

このカメオのフレームは、とても立体感のあるカメオを活かすべく、細くさりげなく良い仕事で品の良さを感じる物です。

映画『風と共に去りぬ』の時代背景は、アメリカの南北戦争（1861年〜 1865年）時代ですが、ヒロインのスカーレット・オハラもシェルカメオを付けているように、この時代はシェルカメオが大人気だったのです。

今でも巷のオバサン族は大きいだけの最悪のシェルカメオが好きなようで、若い女性はカメオが嫌いな人が多いようですが、この『美の女神アフロディーテ』のようなカメオの存在を知れば、きっとカメオが好きになると思います！

カメオについては《知られざるカメオの魅力-1》でご覧ください。