ヴィクトリア時代の天然真珠　ネックレス
イギリス　1850年頃
英国王室御用達
W.G.Diclanson&Sons社 （オリジナルケース付き）
天然真珠、マザーオブパール（真珠母貝）、
サイズ38,5cm
SOLD

このネックレスには、直径1mm程の極小真珠1,000個以上もの天然真珠が使われています！！

しかも養殖真珠とは全く違う150年以上もの時を経た実に美しい天然真珠で、極小の珠をメインに使った極めて珍しいタイプのネックレスなのです！！

直径1mm程の極小真珠に穴を開けるには、普通のドリルでは駄目なので、特別の道具を使った筈です。

これだけ小さな真珠だと、ちょっとミスをすれば割れてしまいますし、穴を開ける時の摩擦熱で真珠が傷んでしまう可能性がある極めて困難な仕事です！

穴を開けるだけでも嫌になるほどの手間が掛かるのに、マザーオブパールの台にホースヘアで取り付けるのは膨大な手間が掛かります！！

大小の天然真珠を組み合わせてマザーオブパールの台に取り付けて立体感を出した作りは、アンティークの天然真珠ネックレスの中でも異例の物で、イギリスのヴィクトリア時代1840年から1860年頃）以外では作られていないのです！！

最近はこのタイプのシードパール　ネックレスは状態の良い物が出なくなり、修復しなければならない物がほとんどですが、ロンドンのディーラーの中には、修復代が高く掛かり過ぎるし、時間も何ヶ月も掛かるの扱わない人たちが増えているのです。

ロンドンにはこのタイプのジュエリーを専門に修復する人が一人だけいますが、仕事が雑なうえに何ヶ月もかかるのが実情のようです。

実はこのネックレスもいい加減で雑な修理がしてあったので、名修復師のX師に頼んで徹底的に修復をしてもらったのです！

彼はこのタイプのネックレスの修復は初めてだったのですが、ロンドンの専門家でも出来ない完璧な修復が出来たので、僕は改めて彼の腕とアンティークジュエリーの修復への情熱に感動しました！！♪

このタイプのネックレスはホースヘア（白馬の尻尾）を使っているのですが、ホースヘアが経年変化で簡単に切れてしまう状態で、これでは1年保つかどうかという状態でした。

ロンドンの修理ではテグスを使っているし、マザーオブパールの裏に綺麗に結んで取り付けることが出来ないらしく、接着剤で留めてごまかしているのです！！

接着剤の痕が汚くなっていて、実際に首に付けると皮膚がチカチカして具合が悪いのです。
全く酷い修理をするものですよ！

これは修理を頼む側（ディーラー）と修理をする人の両方に問題があるからです。

貴重なアンティークジュエリーをまともに修復するには、費用をけちっても急がせても駄目なのです！！
早く、安くではちゃんとした修復が出来るわけがないのです！！

そんなことをやっているからアンティークジュエリーの本場のロンドンでさえ、満足に修復の出来る職人がいなくなったのだと思います。

このネックレスも名人X師が接着剤を全部綺麗に剥がして、テグスでごまかすのではなく。絹糸を特殊加工した物で、1000個以上の極小の真珠のホースヘアを外して、全部を絹糸で通し直ししてくれたのです！！！

こんな根気のいる面倒な作業で完璧な修復を出来るのは、日本にはもちろんロンドンにさえも唯の一人もいないのです！！

今回は彼も初めてだったので、低価格の天然真珠ネックレスの価格ぐらいの修復代が掛かりましたが、僕はとても満足しています！♪

こんなに貴重な天然真珠のネックレスがこれで蘇ったのですから！！♪

最近は、海外で過去に酷い修復をした物が増えていて、それを綺麗に再修復しなければならない物が増えています。

だから僕は海外のディーラーに僕に売る物は、修復をしないで渡してくれと言っています。

今ではこのようなシードパールのネックレスで安心して使える物はほとんど出てこないと思いますので、完璧な状態に修復したこのネックレスは貴重な存在なのです！！！♪

このタイプのネックレスは修復に手間と費用が掛かりすぎるので、今後新たに仕入れることはありません！！
だからこれが最後の物になると思いますので、繊細な天然真珠ネックレスのお好きな方にはぜひともお勧め致します。

天然真珠と養殖真珠の違いについては《知られざる天然真珠の魅力》でご覧ください。