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エメラルド&ルビー ブローチ イギリス 1870年頃 エメラルド(クローズドセッティング)、ルビー(クローズドセッティング)、天然真珠、18ctゴールド 1,5cm×4,1cm Sold ※ ブローチのピンにチェーンを通してペンダントとしても使えます。 |
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《現代の色石とアンティークの色石の違い》のページを作ったからには、クローズドセッティングについてお話しておく必要がありますね。 このエメラルド&ルビーのブローチは、ジョージアンのゴールドジュエリーに見られるような、素晴らしい粒金細工と非常に細かな模様を彫ることでマットゴールドにしてあります! それにジュリアーノスタイルのブラック&ホワイトエナメルも、難易度の高い仕事です。 これらのことから考えて、このブローチが当時ミドルクラスのジュエリーとして作られたのは間違いありません。 でもエメラルドもルビーもクローズドセッティングなのは、現代人には分かりにくい理由があるからなのです! それは現代の色石の加熱処理などのように、利益をあげる為のごまかしではないのです。 クローズドセッティングとは、石の裏に窓を開けないで、錫箔を敷いた物で、色石だけでなく、ダイヤモンドのセッティングにも行われています。 18世紀中期以前は、色石もダイヤモンドもすべてがクローズドセッティングです。 18世紀後期以降からオープンセッティングの物が出て来ますが、それは錫の箔を作れるようになったからかも知れません。 19世紀初期(ジョージアン)のジュエリーで、最上質の石の場合はオープンセッティングの物が多く、そこまで行かない石の場合にクローズドセッティングをしているように思えます。 それにまだ電灯がなく、蝋燭の明かりだけで夜の照明が暗く、昼でも大きな板ガラスが無かったので、ガラス窓が小さくて室内が近世より暗かったことを考えると、石の下に錫箔を敷いて輝くようにするか、石が明るい綺麗な色に見えるようにしたことは頷けるというものです。 1880年代になると、電灯の照明の普及や、ダイヤモンドラッシュで錫箔を敷かなくても充分に美しい石が市場に出回るようになり、クローズドセッティングが姿を消して行ったのだと思いますね。 クローズドセッティングの場合、作られてから120〜200年は経っているので、水がしみこんだりして、錫箔が変色し、汚い感じになっている石も結構ありますが、中には偶然それが良い味と言える状態の場合もありますし、オープンセッティングの石とは違う魅力があるのです! 要は良い味わいと感じるられるか、汚いだけのものなのかを見分ける必要があるのです! でもそれには、余程沢山のクローズドセッティングのジュエリーを見ていないと分かるものではありません。(アンティークジュエリーを扱っている人たちの中には、良心的な商売をしていない人たちもいますし、経験不足で見る眼を持っていない人たちも多いのです)。 でもルネサンスのメルマガ会員の方は、その心配は無用です!! だって、僕がそんな汚いような石を使ったアンティークジュエリーを扱う訳は無いのですから・・・!!♪ 骨董屋の諺に『目利きの商売下手』というのがありますが、これは目利きはプライドがあるので変な物は扱わないが、目利きでない者は恥を知らないので、平気でそんな物でも売ってしまえるからなんですよ(笑)。 僕は骨董屋の三代目として生まれた者で・・・。 |
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このエメラルドは石の内部に内包物や傷が見られますが、表面に後で付いた傷ではありません! 京セラの合成の石ならいざ知らず、天然のままのエメラルドでは、ルビーやサファイヤとは違い、内包物や傷はがあるのは当たり前のことなのです! もちろん、内包物が少なければ、透明感のある美しい石なので、価格はその状態により可なり違って来ます。 現代のエメラルドは、天然のままで販売出来るような石が出なくなっているので、かなりの傷物も宝石として販売するために、オイルや樹脂に浸すなど化学的処理を施して傷を隠したり、石の耐久度を高めたりしてあります。 鑑別書に特に無処理、ノンオイルとのことわりがない限り、この手の処理を施してあるのです。 処理が下手な場合、時間の経過とともにオイルが蒸発します。 またかなり高度な処理であっても、汚れた石を洗う回数が増えると、オイルが抜けてしまうことがあり、そうなると本来の傷物の姿に戻ってしまうのです(笑うしかない)。 だから現代のエメラルドのジュエリーが100年後にアンティークジュエリーとして残ったとしても、全く見るに堪えないエメラルドになってしまっているということです!!(笑) まあ、現代のジェリーは、エメラルドでなくても、石が外れたり、その他の部分が壊れたりで、100年後に満足な状態で残っているのは奇跡でも起こらない限りは皆無だってことなのです!! だから、優れたアンティークジュエリーほど安い物はないと、僕は常々言っているのです!! |
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グラデーションの完成度の高い粒金! |
日本の金工における魚子(ななこ)という技法に似た、無数の点を打った美しいマットゴールド! |
これは元々は、ブローチではなくて、ブレスレットの一部だったと思われます。 左右の側面に四個の金具が付いていた痕があるからです。 |