ローマ カボッション サードニクス 鷲の紋章リング
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ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉(直径2cm)を置いてみれば実物との大小の比率が分かります。

これぞミュージアム・ピース
ローマの将軍のインタリオ!!
古代ローマ 1世紀頃
サードニクス
(シャンクはフランス 1819-1838年  18ct ゴールド)
リングサイズ  15号(変更可能)
ベゼル 1.5cm × 1.1cm    重量3,6g
Sold

希少性、彫りの見事さ、シャンクの良さなど、どれをとっても素晴らしい逸品です!!


ローマ軍のシンボル 鷲 インタリオ

ローマ軍のシンボルの鷲が石柱に乗った図柄でこのような鷲のシンボルは、滅多に使われるものではなく、また、彫りの緻密さ、立派さ、材料の希少性から考えても、ローマ軍でも相当に位の高い人物が身につけていたことは容易に想像できます。

大英博物館などに所蔵されているサードニクスのインタリオをページ下部に載せておきましたので、このローマ軍の象徴である鷲のインタリオと比較して見てください。
このカボションカットされたサードニクスのインタリオが如何に貴重な作品であることがきっとお解りいただけるものと思っています。

古代ローマ 鷲と武器 彫像

←アウグストゥスの将軍の霊廟から、他の遺物と共に発見された鷲と武具の彫像。
(マドリード プラダ美術館)

ローマ軍のシンボルである鷲が、戦利品である盾や鎧とともに彫られています。

競技会での勝者に与えられる「トロフィー」は、古代ギリシア・ローマ時代に、戦利品の武具を柱に掲げて飾った物が発祥です。

この武具と鷲の構図はカボッションのリングに彫られたモチーフと同じで、ローマ軍の栄光を表しています。

ローマ インタリオ リング 陰影

左の図はインタリオを粘土に押した画像ですが、陰影もこの通り、くっきりと出ました。非常に小さい石なのですが、肉眼で見ても抜群に良い彫りだなというのは解ります。

ローマ軍のシンボルである鷲(アクイラ)が Cippus と呼ばれる石柱の上に乗っていて、側には剣のように見えるものが突き立てられています。

古代ローマの軍隊では、鷲、ミノタウロスの頭、狼、馬、猪の形をした目印を用いていたと大プリニウス(23-79)が挙げていますが、後に鷲だけが使われるようになりました。

軍団(レギオン)につき一つの鷲がありましたが、鷲は単なる目印以上の存在であり、これが奪われたり、失われるということは、軍にとって「ゆゆしき事態」であるとされ、軍団より下の「旅団」には目印としてサーペントやドラゴンが使われていました。

鷲はそれくらい重要なシンボルだったので、美しいサードニクスのカボッションカットの石とインタリオのレベルからして、将軍クラスの人物が持ち主だったことは間違いありません!!

実物大
ローマ時代 コイン マルクス・アントニウスが自身の軍団に支払う為に発行したデナリウス銀貨。
裏には、第三軍団のアクイラ(鷲の紋章)が軍旗と共に描かれています。
ローマ時代 コイン

鷲が乗っている物はローマ時代の石柱(Cippus)で、鷲と共に描かれています。

この鷲と石柱のモチーフは、コインに頻繁に出てきます。

Cippus:古代ギリシア・ローマで墓標や陸標として使われた低い石柱。
《研究社リーダーズ・プラス》

ウェスパシアヌス(在位69-79年)のコイン
皇帝の肖像の裏に石柱の上に立つ鷲が刻印されている。

ローマ カボッション サードニクス 鷲の紋章リング

このインタリオ・リングに使われているカボッション・カットされた石は、オニキスに美しい褐色の「サード」が表れているもので、サードニクスと呼ばれてます。

三つの層を持つ石を厚みのあるカボッションカットにすることで、立体感のある美しいインタリオに仕上げてあります。

《参考》
第10軍団の鷲の徽章を運んでいた者が、事態が軍団にとって有利になりますように、と神々に誓って、「飛び降りよ」と言った。
「兵士たちよ、もし鷲の徽章を敵に渡すことを欲しないのなら、
我は絶対に、我が国家と最高司令官への務めを果たす。」
これを大きな声とともに言って、
船から身投げして、敵中に鷲の徽章を運び始めた。
すると我が方は互いに鼓舞し合って、
このような恥辱を犯されないようにと、全員で船から飛び降りた。
〜ガリア戦記 第4巻〜

 

これだけ厚みのあるサードニクスのインタリオを使った美しいインタリオは、このページ下部に掲載してある大英博物館所蔵の作品の中にも無いのです!!


このインタリオが如何に希少価値の高い美しい作品であるかがお解り頂けると思います!

ローマ カボッション サードニクス 鷲の紋章リング 斜めから見た時に、茶色と白い層のグラデーションが美しい!


指輪の作りも19世紀初期のフランスの物ならではの見事な作りです!
ローマ カボッション サードニクス 鷲の紋章リング 側面

厚みのあるとても美しいカボッションカットです。

 

ローマ カボッション サードニクス 鷲の紋章リングのシャンク

 

1819-1838年にフランスで18金であると試金されたことを表すホールマークがあります。(ラムズヘッド)

ローマ カボッション サードニクス 鷲の紋章リングのシャンク

シャンクは後部まで美しい形で、手間を掛けて作られたことが良く分かります。

ローマ サードニクス カボッション インタリオ リング 着用図

 

参考資料

サードニクスを用いた古代ローマのジュエリー

サードニクス リング ヒギエア

ローマ 1−2世紀 大英博物館
長さ 2.5cm ベゼル長さ 1.2cm

カボション・カットしたサードニクスに女性の健康を守るという女神、ヒギエア(ヒュギエイア)を彫り込んでいます。

ローマ時代 カボッション サードニクス ゴールド リング 蟻 ローマ時代 カボッション サードニクス ゴールド リング 蟻

古代ローマ 1−2世紀 ヴィクトリア&アルバート美術館
高さ: 3.2 cm, 幅: 3.3 cm, 厚み: 1.3 cm

円錐を切ったような形にカットしたサードニクスに蟻を彫っています。

紀元前 ローマ サードニクス リング サソリ 紀元前 ローマ サードニクス リング サソリ

古代ローマ 紀元前1−2世紀 ヴィクトリア&アルバート美術館
高さ: 1.6 cm, 幅: 1.9 cm, 厚み: 2.2 cm, 全体長: 1.8 cm

銀のシャンクは中世に作られた物で、サソリのインタリオは熱病から身も守ってくれるものと当時信じられていました。

ローマ サードニクス リング コーン ローマ サードニクス リング コーン

ローマ 3世紀 大英博物館
長さ 4cm ベゼル 2.6cm

やはり円錐を輪切りにしたような形ですが、美しい縞模様が出てきます。

ロマノ・ブリティッシュ サードニクス リング コーン ロマノ・ブリティッシュ サードニクス リング コーン

ローマ 3世紀 大英博物館
外径 2.4cm 石の長さ 7mm

ローマが統治していた時代のイギリスの指輪。灰色、白、蜂蜜のような色の淡い色の三層の円錐形のサードニクスを、やや平に仕上げたシャンクに留めています。

3世紀 サードニクス リング 蟻 3世紀 サードニクス リング 蟻

ローマ 3世紀(もしくはそれ以降) 大英博物館
長さ 1.8cm ベゼル長 1cm

蟻を描いています。

シルバー サードニクス リング

ローマ 2世紀
長さ 2.3cm ベゼル長 1.5cm
シャンクは銀。
大英博物館

白い線の右:彫刻家が大きな胸像に向かって仕事をしている。左に描かれているのは、子供をあやす女性?

三層の石の使い方が実に面白い。

ローマ サードニクス インタリオ ルース

ローマ BC1世紀〜3世紀AD
長さ 1.7cm
メトロポリタン美術館

武装したアーレース。

 

ローマ サードニクス インタリオ ルース

ローマ BC1世紀〜3世紀AD
長さ 2cm
メトロポリタン美術館

翼の生えたネメシス(女神)が枝を持ち、典型的なポーズをとっています。

ローマ サードニクス インタリオ ルース

ローマ BC1世紀〜3世紀AD
長さ 1.8cm
メトロポリタン美術館

王笏を持ちコルヌコピアと子供を支えるゼウス。
紀元前3〜4世紀のギリシアの作品の改作。



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