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ヘレニズム円形印章
グレコペルシャ
紀元前4世紀
オレンジアゲート・インタリオ
「ヒッポグリフ」
22金でペンダント加工済み
直径25cm
重量13,6g
SOLD
アレキサンダー大王の東方遠征(紀元前334〜324年)で、ギリシャ文化とオリエント文化が癒合しヘレニズム文化の花が開きましたが、このペンダントは、ちょうどその頃に作られたグレコペルシャの円形印章をペンダントに加工した物です。 |
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モチーフはヒッポグリフ(2)で、鷲の翼と上半身、ライオンの下半身を持つ伝説上の生物グリフィン(1)と雌馬の間に生まれた伝説の動物です。 グリフィンは、黄金を発見し守るという言い伝えから、「知識」を象徴する図像として用いられ、また、鳥の王・獣の王が合体しているので、「王家」の象徴として紋章にも使われていますし、そのグリフィンと馬の合体したヒッポグリフは、非常に誇り高いとされています。 この円形印章に使われているオレンジアゲートは、未だかつて見たことの無い非常に珍しい石です! ルビーやサファイヤなどの貴石やダイヤモンドが宝石として人気を博し、ジュエリーとして出回るのはルネサンス末期からです。 ダイヤモンドの粉末を使った工具が無かった時代に、膨大な時間をかけてでもこのようなインタリオを硬い石に彫ったのには、そういう理由があったのです。 ペンダントとして使えるように22金で金具を作ってもらいましたが、これが結構難しい仕事だったようです。現代の宝石のようにきちんとした形ではなく、微妙な形だし、穴もドリルで真っ直ぐに貫通した穴ではないからです。 僕の友人は、三十数年間前に、アフガニスタンのカブールからジープで一週間もかけてガンダーラの仏教美術品を探しに行っていますが、その地域には今でも突然に金髪碧眼の子供がが生まれるそうです。そのあたりはアレキサンダー大王の東方遠征の道すがらなんですよ。そして今はアルカイダの巣窟ですからね〜(笑)。僕はその頃はまだ古代の物は扱っていなかったのが返す返すも残念です! このグレコペルシャのインタリオは、アレキサンダー大王の東方遠征にまつわる歴的なロマンを秘めた古代の小さな美術品なのです!! 監督、脚本:オリバー・ストーン(2004年/アメリカ)の映画「アレキサンダー」は実に面白かったです!(レンタルCD有り) |
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コラム:ヒッポグリフの成立 ヒッポ(馬)+グリフ(グリフィン)の合成語で、グリフィンは古代オリエントの聖なる動物。東方世界でよく見られる鷲と獅子の組み合わせで、グリフィンが馬を食べている様子が、スキタイの装飾品などにみられます。これは肉食獣である獅子の自然観察から生じたものと考えられます。 ヒッポグリフが文献に最初に登場するのは、古代ローマのヴェルギリウス「アエネーイス」で、後の注釈や文学作品で姿や性質などが付け加えられ、形が定まっていきます。 このインタリオはギリシア時代なので、ヴェルギリウス以前の物です。通常、ヒッポグリフの前足は獅子の足になっているのですが、このインタリオのヒッポグリフは前足が馬の足になっています。 似たような聖獣にペガサスがありますが、こちらは馬の頭をしているので、違うものだと判ります。
ルネサンスで最近、馬の合成生物の「ヒッポカンポス」を扱いました。やはりヘレニズムのインタリオです。 |