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『古代ローマのカメオの傑作』 ギリシャ神話の怪物『メデューサ』 の頭部を彫ったカメオで、魔除けとして使われる場合にはゴルゴネイオンともいいます。 神話によると、ゴルゴネイオンはメデューサという頭から髪の毛の代わりに蛇が生えている女の怪物の首で、彼女に睨まれた者は誰でも石に変えられてしまうという恐ろしい化け物でしたが、勇者ペルセウスによって首を切られて殺されました。その首にはまだ魔力が残っていたので、アテナとゼウスは盾や鎧にメデューサの首を張り付けてその魔力を取り入れたと云います。そのような防具はアイギスと呼ばれて王の象徴となりました。
時代が異なっても飾られるのは、宗教の枠に組み込まれていないからで、それはゴルゴネイオンが自然のパワーを象徴しているからだと思います。 下記のケルン大聖堂の内部の扉に付けてある作品や、ほぼ同じ大きさの大英博物館とポールゲッティ博物館に所蔵されている作品と比較してください。このゴルゴネイオンのカメオが如何に素晴らしい作品であるかがお解り頂けると思います。
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これはポールゲッティー博物館蔵の作品ですが、フレームは19世紀物です。 これを参考にしてフレームをお作り致します。 (別途見積もりをお出しします) |
ゴシック様式の建築物としては世界最大のケルン大聖堂の内部の扉に1200年頃取り付けられた古代のカメオ。見た物を石に変えるというメデューサの神話は中世にもよく知られていた。このカメオの意味は、教会の西の外れに悪魔の像があるのと同じで、怪物が打ち破られて教会内部に入ってこられないということを象徴している。 これは僕が持っているゴルゴネイオンの石と色がよく似ています。もしかするると石の産地が同じなのかも知れません。 |
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↑ケルン大聖堂のHPに掲載してある画像。 |
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古代ローマ 2世紀 アゲート 2,7cm×2,3cm ルネサンスの取り扱い作品 Sold 淡いブルーから白のグラデーションの実に美しいアゲートを活かした彫りは、大英博物やポールゲッティー博物館の所蔵品に勝るとも劣らぬ名品です!!♪ |
ローマ 3世紀 青色がかったサードニクスのカメオでメデューサの頭を彫っている。 |
ローマ 1−3世紀 フレームは19世紀ローマのカステラーニ兄弟で、古代の金細工に通じていた。 元は裏側に吊り下げる為の輪がついていたが、後にピンにつけかえられた。 |
ゴルゴネイオン ストーンカメオ『メドューサ』 古代ローマ 2世紀 アゲート 1cm×0,8cm 重量0,7g Sold |
上のカメオはヴィクトリア時代の物で、迫力ある古代の物とはいかに異なるかが解ると思います。 それにしてもヴェルサーチのロゴもメデューサですし、現代人をも引きつける魅力がこのモチーフにはありますね。 |
ゴルゴネイオンの起源は古く、元は魔除けとして石に恐ろしい顔を彫ったことが始まりだと考えられます。 ギリシアではアルカイク期に多くのメデューサが描かれていますが、それらは定型化された表現になっています。また、ローマ時代に作られたゴルゴネイオンの多くも定型化された表現の物と、若く美しい女性として「個性的、芸術的に」彫られた物とがあります。しかし、定型化された、没個性的な物が決して劣っているということではありません。それはどういったことかと言うと、作られた目的が違うからです。人間の為の視覚表現というよりは、何か人間以外の災いをもたらす物、自然、神、悪魔といった物に対して作られているからです。例えばエジプト美術は何千年も定型化されていまいたが、それは神の為の芸術であったからなのです。 |
(左)はメデューサを追うペルセウス、BC510年頃の土器。 二つの場面には類似性がありますが、これはゴルゴネイオンの起源がかなり古い(ギルガメッシュ叙事詩は紀元前3000年以上前)可能性があることを示しています。 ギリシャ・ローマの表現では、真っ正面を向いた顔は珍しいです。後代になると、メデューサの頭から直接羽が生えているように描かれていますが、もとはこのように背中に翼がありました。おそらく、ゴルゴネイオンなど小さな物を彫る時に、背中に翼があることを表すために頭の上に翼を彫り込んだら、それが本当に頭から生えていることになったのではないかと僕には思えます。 |
ブラカス公爵のカメオ 古代ローマ 1世紀 ジュピター(ゼウス)を象徴するアイギス(英語読みではイージス)を身に着けたアウグストゥス。 イージスは、メデューサの首(ゴルゴネイオン)のある山羊革の外套として描かれている。 |
後世にヒビが入ったための修復痕がありますが、フレームを付ければ使用には問題ありません。 |