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ニエロの歴史 ニエロはラテン語で「黒い」という意味の単語が語源となっていて、日本語で黒金とも呼ばれ、銀、銅、硫黄、鉛などの合金を金や銀を彫った溝に流し込み、熱して定着させる細工。 地金を彫ってそこに定着させる所は、シャンルベ・エナメルに似ているが、シャンルベ・エナメルはガラス釉を使うため融点が高く、より難しい。 ニエロはいつどのように始まったのかは解っていない。 その後、ギリシア文明でもニエロ使われたと思われるが、ローマに入ってからニエロの使用が拡大する。 ビザンツ帝国はそれを継承し、東欧に伝わっていると考えられる。 アングロ・サクソンはリングにはエナメルを使っていないが、ニエロを使って素晴らしい細工を残しており、しかもそれが歴史上非常に重要な遺物になっている。 |
ミケーネ文明の遺跡で発見された短剣。 見事にゴールドにニエロを施している。 |
同じくミケーネ文明の遺跡で発見された短剣。金、銀、ニエロ細工で人物と動物を描いている。 |
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ルネサンスの金細工師ベンヴェヌート・チェッリーニの時代には、ニエロはほとんど忘れられた技法となっており、自分で過去の作品から学んだという。 その際に彼は、 この他にも色々なニエロのレシピが残っているが、ローマ時代のプリニウスの製法には鉛がなく、それ以後は必ず鉛が使われているので、ローマ時代以前のニエロには鉛が使われていなかった可能性がある。 20世紀初頭の「銀細工と宝飾品」で、H. Wilson は、現代に伝わる様々なニエロの製法を試したが、チェッリーニの製法は「作れるが、非常に難しい」としている。 ちなみに、地金を彫らないで、上にニエロで描いているだけの物もニエロと呼んでいることがあるが、耐久性は低い。 |