ユーゲントスティール　ブローチ

プリカジュールエナメル、天然真珠、シルバー
ドイツ　もしくは　オーストリア 1900年頃

３．２cm　× 3.2cm、３．７g

Sold

水色のグラデーションのエナメルと、植物のような曲線はアールヌーボーの特徴ですが、フランスのアールヌーボーとはどこか違った趣がありますね。

これは、ユーゲントスティールと呼ばれるドイツにおけるアールヌーボーのブローチなのです。

エナメルの色も青系だけですし、地金もシルバー、デザインもほぼシンメトリックになっています。

エナメルの部分は、裏から光を通すプリカジュール・エナメルになっています。

葉脈のような区切りの中にエナメルが施されているのですが、少し表面から凹んでいて、面白い光の効果を生んでいます。

プリカジュール・エナメルについて詳しくはこちらをご覧下さい。

←実物大 ブラウザによって大きさが違いますが、1円玉（直径2cm）を置いてみれば実物との大小の比率が分かります。

ドイツにおけるアールヌーボー

ユーゲントスティールは、フランスのアールヌーボーに相当する美術様式、芸術運動で「ユーゲント」という美術雑誌に由来し「青春様式」とも訳されています。

女性や動植物の曲線、エナメルの活用といった部分ではフランスのアールヌーボーと似ていますが、左右対称的で、エナメルの色使いも相当に大人しく見えます。

ユーゲントスティールは、ウィーン分離派などの運動に関連しています。

薄い作りになっています。

ブローチ本体の裏はシルバーギルトになっています。

フランスにおける意匠登録のマークと、インポートマークがあります。

コンチネンタルシルバー(800)以上のマークですが、
ドイツやオーストリアのこのタイプのものは、900-930の物が多いですし、
このブローチのシルバーの光沢をみても、900はありそうです。