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ローマンモザイク ブローチイタリア 1850年頃 SOLD |
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これほど美しい色彩のローマンモザイクは僕が扱って来た19世紀中期のモザイクの中でもトップレベルの物です。この画像では金の輝きが表現されていませんが、実際に手にとって見てみると金の輝きと華麗な色彩が相まって、まさに荘厳という言葉がぴったりです。 上下左右に描かれている4羽の鳩の姿と表情がそれぞれ違うのが素晴らしいし、何か意味があるのかとも思います。羽の微妙なグラデーションは、作者の並はずれた感性と良い作品を作ろうという情熱を感じます。現代では到底不可能ですし、アンティークでも滅多にない細さですね。 モザイクについて詳しくはこちらもご覧下さい。 |
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縁の金の極細な縒り線(よりせん)も、実物を見るとよくもこれだけの細い金銭を綺麗に縒ったものだと感心させられます。 赤、青、白と、地のモザイクのビビッドな色分けが幾何学的な十字架の外形と完全に調和していて、その内部に初期のキリスト教のモチーフがなんの違和感も無く設置されているのが、優れたデザインと仕事の証明だと思います。 |
四羽の鳩がそれぞれ違う格好になっているのが良いですね。鳩の周囲のオリーブの枝が渦を巻いているように配置されていますが、それが鳩に動きを与えていて、非常に優雅です。 鳩には微妙に陰影をつけた細かいモザイクのピースを使っています。長細いピースを羽根や尻尾の部分に、曲がったピースを胸の部分に使っています。 鳩はモザイク絵のモチーフとしてよく出てくるのですが、並の鳩よりも数段上の出来映えです! 実物は金細工やモザイクに立体感を感じます。是非手に取ってご覧下さい。 |
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鳩はキリスト教において精霊やキリストの魂だとされていて、特に東方教会では洗礼を意味しますが、一般的にはこのオリーブ(?)の枝を加えた姿は、旧約聖書に出てくる「ノアの箱舟」の神話を思い起こさせます。 箱舟で漂流していたノアが鳩を飛ばすとオリーブの枝を加えて戻ってきたので、水が引いたということを知ります。この苦難が終わるということが、キリストの受難の後に人類が救われることや、戦争の終焉とかさなり、鳩は平和の象徴としても扱われるようになりました。 |
聖書に描かれているような装飾された文字が金で縁取られて中央にセットされています。 金の文字の中には、金太郎飴のような棒状のガラスの断面を並べて配置しています。 これらはムッリーネとかミルフィオッリとか呼ばれている技法で、この部分に使われているパーツは最大でが1ミリ程の大きさで、それが大きさをグラデーションにしてあります。一番小さいものは、 小さ過ぎて何マイクロメートルなのか解らないくらいなのですが、よく見るとちゃんとオレンジの円の中に白い芯が入っている驚愕の仕事です! |
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スタウログラム (staurogram) ギリシア文字のΤ(タウ)とΡ(ロー)を組み合わせて、キリストを表しているこのモノグラムはスタウログラムと呼ばれます。 十字のことをギリシア語でスタウロスといい、それを「タウ、ロー」という音で似せているのですが、実際は十字架上のキリストの姿そのものを表していると言われています。 |
この時代に多いC型のクラスプですが、溝のついた良い金具になっていて、良い物として作られたことがわかります。 | モザイクが付いている表面のプレートよりも、少し小さめの本体にすることで、本体のラインを強調しています。表面の撚り線のラインもそうですが、とても洗練されたデザインです。 |