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アメジスト カメオ ピン イタリア(?) 1870年頃 SOLD 全長 9.3cm、頭部 1.9cm アメジストに男性の頭部を完全に立体的に彫ったピンで、カメオというよりは、頭像のミニチュアという方が相応しいくらい、人間の内面までも表現したような素晴らしい彫りです!! この人物が誰なのかは解りませんが、 トルコ帽(フェズ)をかぶったムーア人(イスラム教徒)に見えます。 360度、回して楽しめるというのが魅力です。 アメジストは堅くて彫りにくい材質なので、小さく詳細な彫りを施すのは、非常に困難なことなのです!! |
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このような、立体的なピンの形にピッタリと沿った特注の素晴らしいアンティーク革ケースがついています!! |
最初、これを見た時には、イタリアのガリバルディという政治家かと思ったのですが、よく見てみるとトルコ帽を被った人物に見えるので、ムーア人を彫った物として今回ご説明しています。 ムーア人とはヨーロッパ側から見たイスラム教徒の呼称で、中世にスペインなどで接触のあった時代はベルベル人のことを指していました。 近世になると、ムーア人はイスラム教徒一般のことを意味するようになりました。また、召使いの黒人をモチーフにした装飾品をブラッカムーア(黒いムーア人の意)と呼んでいます。 シェークスピアは16-17世紀の人物ですが、彼の作品の中にヴェネチアのムーア人を描いた「オセロ」があります。オセロの人種についての記述はありませんが、映画などでは黒人として描かれることが多いようです。 アンティークジュエリーでよく見かける普通のブラッカムーアは、黒や茶色の素材を使って、黒人の肌の色を直接的に表現し、召使いの格好をさせている物をよく見かけます。 ところが、このムーア人と思われる人物は、アメジストに彫られていて肌の色が解らないというところがポイントです。 つまり、色によらず、この人の持つ人間的な魅力を彫刻の力のみで表現しており、そこにこのジュエリーに宿った現代性が表れています。 |
左のブロンズ像はシャルル・コルディエというフランスの彫刻家がスーダンの青年を彫ったものですが、このピンの男性に非常に良く似ています。 そしてこのブロンズ像とアメジストのピンが似ているのは、時代背景が関係していると思うのです。 シャルル・コルディエは先駆的な民族誌(文化人類学)を作品に取り入れたフランスの彫刻家です。
彼の他にも民族学的なモチーフをテーマにした彫刻家はいましたが、彼らとコルディエとを分けたのは、哲学的・精神的な部分が作品に表れたかどうかだと思います。 例えば、植民地のある部族の婚姻形態が、白人の研究者には理解できない程複雑な「ある秩序」を持っていることが解り、それは単に白人の習慣と「異なっている」というだけで、野蛮も高貴もない、という「文化の多様性」への理解が進み、のちにレヴィ・ストロースらによって数学の群論を取り入れた、構造主義という思想の発展に重要な役割を果たして行きます。 コルディエも全ての人類に美を見いだし、この彫像においても人物の威厳と誇りを表現しています。 現在この作品のオリジナルは人類博物館に保存されています。 |
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『ダルフール王国マヤク族のサイード・アブダラー』 Charles Cordier, Said Abdallah from the Tribe of Mayac in the Realm of Darfour, 1848, bronze, collection of Lynda and Stewart Resnick |
他にはこんなアメジストのクラバット・ピンもあります。
アメジストカメオ クラバット・ピン 犬の表情や特徴を良く捉えた見事な彫りで、且つ、美しいアメジストの透明感と相まって、単なるカメオというよりは、宝石彫刻と言うべき作品です!!♪ |
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