蝶は綺麗な昆虫で飛び方も優雅なので、アンティークジュエリーのモチーフとしても人気がありますが、ほとんどの物は羽を開いた構図で、エナメルや宝石で色彩的な綺麗な物として作られています。

この蝶は飛んでいる姿をエナメルや宝石に頼ることなく金だけで、高度な技術による繊細で美しい彫金により、軽やかに舞う蝶を表現しているのです！！

蝶の軽やかさを表現するために、薄い金の板で二枚の羽を別に作り、当時の第一級の職人の技を思わせる、限界まで細く美しい線で蝶の羽の美しさを表現しています！！♪

奥の羽は見えない部分まで彫金を施してありますが、これは作者の本当に美しい物を作ろうとする心意気なのです！

僕はこのブローチを見た瞬間に何と美しく、独創的なデザインなんだろうと感激しました！！♪

皆さんは、羽の彫金が二つの違う技法で彫られているのに気づかれましたでしょうか？

羽の上部と根元には極限まで細い線を彫ってありますが、小枝のような線は、画像を良くみると浮き上がって見えるでしょ。

この線は単純に彫った物ではなく、何と彫り出しているのです！！！

つまり金の板から最初に小枝のような線を彫り出し、他の部分は一段低くなるように均一に彫って磨いてから、羽の上部と根元に細い線を彫ってあるのです！！

言われなければ気がつかないようなことに、これだけ高度な技術と膨大な手間を掛けて作った作者は、いったいどんな人だったんでしょう？

ノーサインの作品で、こういう優れた作品があるのが、アンティークジュエリーの魅力だと僕は思います！

そして現代の数百万円もする作家物やブランドジュエリーに比べて、名も無き職人が作ったこの蝶のブローチが如何に美しく価値ある物であるかを皆さんにも解って頂きたいのです！