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ペリドット カメオ ピン イタリア? 1890年頃 ペリドット、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、ゴールド 8cm、6.3g SOLD
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過去に見たことも聞いたこともないペリドットのカメオ ペリドットは、割れやすい性質があるので、カメオに彫るのは非常に難しく、僕は過去に見たことも聞いたこともありません!! 夜になっても輝いたので、ローマ人によって「イブニング・エメラルド」とも称されたペリドットをカメオに彫ることによって、その性質が活かされているのです!! カメオの彫りは説明がいらない位素晴らしい!!♪ そしてモチーフがシレノスのマスクというのがいいですね。シレノスとは、半人半獣のサテュロスという妖精の老人で、酒の神ディオニソス(バッカス)の飲み友達にして師匠なのです。 シレノスを上手く酔っぱらわせておだてると知恵を授けてくれたり、親切に介抱するとディオニソスから褒美が貰えるという楽しい話が残っています。 シレノスのマスクはギリシアの仮面劇で使われたもので、ヨーロッパでは装飾のモチーフとしてよく登場します。 ギリシア時代は、演劇が非常に重視されていて、政治の場であるアクロポリスの丘にディオニソス劇場があり、コンテストが行われ、民衆を招待していた程です。 だからシレノスのマスクはユーモラスでいて、持ち主の教養の高さも伺わせるモチーフなのです!! また、ピンにはオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドが使われていますが、ピンにダイヤモンドが使われていることは少なく、これを見ても高級な物として作られていることがわかります。 |
アンニーバレ・カラッチ サテュロス達に持ち上げられながら酔ったシレノスが葡萄に手を伸ばしている。 絵が変形なのは、図書館司書の鍵盤楽器に描かれていたからである。 一見、若いサテュロスが収穫した方が早いようにも思えるのですが、経験豊かなシレノスが葡萄の生育状況を自ら確かめているのかもしれません。 |
ニームのローマ時代の建物で発見されたシレノスのマスクのモザイク。 建物の彫刻などにシレノスが彫られることがあり、後に、シルバヌスやグリーンマンと混同、同一視されていった。 |
ペリドットの光は暗くなってからも見ることができたので、ローマ人によって「イブニング・エメラルド」と呼ばれました。 ペリドットの高い複屈折率のせいだと思われますが、このピンのオープンセットになったカメオは、その特徴を100%生かした使い方です!! 彫るのが極めて難しいペリドットに、素晴らしいシレノスのマスクを彫っているのは、「遊びも本気」で行うというメッセージが込められているような気がします♪♪ |