カルロ・ジュリアーノ
Carlo Giuliano (1831-1895)
『松明を持つエンジェル』
制作年代 1880年頃
4,7cm×2cm 重量17,7g
天然真珠、ルビー、18ctゴールド
¥2,200,000-
ジュリアーノは、ローマで古代のゴールド・ジュエリーのインスピレーションを得た作品で有名なカステラーニに師事し、1867年からロンドンで独立してロバート・フィリップスを始めとする著名なロンドンのジュエラー向けに製作を行いました。
1874年に独自の店をオープンし、ルネサンスのジュエリーにインスピレーションを得た独創的な作品を作り、独特の作風がラファエル前派のサークルや審美主義の上流階級の人たちに絶賛を博しました。
ジュリアーノの作品は大きく分けて二つのタイプがあります。
一つはよく知られているルネサンス風のエナメルを使った作品ですが、もう一つはこのエンジェルのブローチのような愛をテーマにしたネオ・ルネサンス様式の作品です!
このブローチも天然真珠とルビーを使ってはいますが、決して主役ではなく、脇役として使われているのです。
宝石はあくまでも脇役として使うのが彼のポリシーなのです!
このエンジェルのブローチも唯大きくて高価な天然真珠やルビーを使ってはいません。
六個の天然真珠はすべて卵型のとても上質な珠で、大きさもすべて揃っていますが、天然真珠でこのような特殊な形で色も照りも同じような珠を揃えるのは大変難しいことなのです!!
ルビーも小さな石ですが、ファセットカットにするのではなく、ルネサンス時代と同じカボションカットにしています!
才能豊かなジュエラーほど、高価な石を使っていることで評価されるようなジュエリーを作ることは好まないものです。
あのロシアのファベルジェも名前さえ知られていないような、珍しくて面白い石を使ったジュエリーを製作しています。それらの石はオッドストーンと言われて貴石ではなく希石と言われている石です。
ジュリアーノには二人の息子がいて、彼の後を継ぐのですが、天才の子は天才にあらずで、父親には到底及びも付かないレベルの安価なジュエリーを作っています。
僕は有名な作家の作品だからと扱うことはしておりませんが、ジュリアーノのような独創的でアーティティックな作家の作品で、妥当な価格の作品のみを扱っています! |