フランスの哲学者ブレーズ・パスカルが「クレオパトラの鼻、それがもう少し低かったら、大地の全表面は変わっていたであろう」と著書『パンセ』で述べていますが、その言葉を裏付けるような高い鼻が彫られていますね♪ 実物をルーペで見てもなかなか解りにくいほどの小さなインタリオですが、こうして拡大して見ると、ちょっとデフォルメされたとても味のある彫りである事が解ります。石と違って金はインタリオの細密な彫りは困難なので、これだけの細密な彫りは非常に珍しい物なんです。 左右の画像は同時代のイシス神として神格化されたクレオパトラのレリーフですが、ネクベット(頭部の飾り)がこのインタリオでも忠実に再現されている事が解りますし、耳の形も耳たぶが小さくて上部が大きい特徴ある形に彫られています。そして頬から顎にかけての微妙な立体感もうまく表現されています。これらの事から、左のレリーフもインタリオもクレオパトラ本人の顔の特徴をよく捉えている事が解ります。それはクレオパトラが実在していて、その顔の特徴がよく知られていた時代に作られた物だからこそと言えるのです!! 何とも美しい黄金(24K) は肉眼では解らないのですが、拡大画像で見ると、彫っていない部分に満遍なく 無数の細かい傷が付いているのが解ります。そしてこれが高度な艶消しを施したのと同じ効果を発揮して、ぎらぎら輝くのではなく、しっとりした古(いにしえの) 黄金の輝きになっているのです。 では次ページの拡大画像を見て頂きながらお話を続けましょう♪
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