退治したメデューサの首を左手に持ち、右手にはヘルメスの金の新月刀、 足にはヘルメスの翼の生えた靴などを身につけ、神話に出てくるペルセウスの特徴を細かく彫りこんでいます。

　粘土に押して細かい彫りを観察すると、メデューサの目鼻までがくっきりと彫り込まれていることが分かります。このように緻密な表現は沈め彫りであるインタリオならでは出来ることであって、浮き彫りであるカメオではここまでの細かい描写は無理なんです。

　まだ自然資源が豊富だった古代の石ならではの自然な色の濃淡を見ていると、空に浮かぶ雲のような雰囲気が感じられます。
　古代、インタリオを彫る優れたカーバーはイマジネーションを働かせて、彫る題材に最も合う石を選んでいか、石を見てインスピレーションが浮かび製作したのだと思います。優れたカーバーは才能豊かなアーティスでもあったのです。
　 僕は18世紀後期から19世紀初期の作家物のインタリオより、古代の無名のカーバーのインタリオの方がずっとアーティスティックな作品が多いと思います！♪しかも価格は古代のインタリオの方が格段に安いのですからね〜。

　神話の中で、ペルセウスはメデューサを退治した後にペガサスにのって空を駆けて行きますが、この美しい石は雲の中をイメージして選んだ石なのでしょう。光に透かして見ると、ペルセウスが空を駆けているようでとても幻想的です。インタリオは古代の小さな芸術品なのです。

　半透明のホワイトカルセドニーは金色のスイベルリングととても相性が良く、指に嵌めると肌がすけてとても軽やかな印象です、一年を通して気軽に楽しんでいただけると思います。

　古代の良いインタリオは数が少なく市場に出回らない物ですから、このような美しい石を使っていて、かつ極めて珍しいモチーフの物はとてもお勧めできる物です。

※参考
英雄ペルセウス
出典: フリー百科事典『ウィキペディア（Wikipedia）』