竜を退治して城に戻って来た聖ゲオルギーの右腕は、凄惨な戦いで哀れにももぎ取られていたのでした・・・。 新説(珍説)Genの「聖ゲオルギーの竜退治」の物語でした。(笑) まあ、物語はこのぐらいにして今度は真面目なお話です。 この象牙のペンダントは300年〜400年も前にフランスで作られた物ですが、僕もこれほど古い年代のカーブドアイボリーを扱ったのは初めてなんです。過去に扱った19世紀のカーブドアイボリーの物とは明に違う技法ですね。19世紀の物は片面だけを彫ったブローチが圧倒的に多いのですが、これは両面を彫ってペンダントとして使われた物だと思います。おそらく上部に紐を通す部分があったのでしょうが無くなっているのだと思います。ルネッサンスからこの時代ぐらいまでは、ブローチよりもペンダントが主流で裏側にも装飾を施してあるのが通例です。ロンドンのV&Aミュージアムにもルネッサンスの傑作聖ゲオルギー(セイント ジョージ)のペンダントが展示してあったのを思い出しました。19世紀のカーブドアイボリーは繊細精緻な彫りが特徴ですが、17世紀の象牙細工は歴史を感じさせる躍動感がありますし、ロマンを感じます。このぐらい古い象牙細工はほとんどが美術館に納まって史上に出て来るのは極めて稀なのです。確かにフレームも補修してあるし、片腕を失ってはいますが、抜群に希少価値のある17世紀の美術品ということで、僕は敢えて扱うことにしたのです。もし、感品ならお値段は軽く10倍以上になるでしょう! これ両面から見える額縁にセットして美術品として楽しまれるのも良いかも知れません。額縁の加工は別途承ります。 ※参考 ロシアで描かれた聖ゲオルギーの絵 聖ゲオルギーのドラゴン退治
カーブドアイボリー 【聖ゲオルギーの竜退治】 象牙17世紀 4,2cm×3,2cm 18K
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