ヴィネグレット ペンダント

 この角度で見ると、このヴィネグレットが平面的な作りではなく、凹凸のある立体的な作りであることが解りますし、 側面も上下の縁もすべてエマーユ(七宝)を施してあるのがお解り頂けると思います。まず、金の模様を見てください。
 皆さんは金色のエナメルで描いたものだと思っていらっしゃる方が多いと思いますが、これは何と彫り残してあるもので、黒と白の部分が金の板を彫り込んでガラス釉を入れ、炉で熱を加えてガラス質にしてあるシャンプレーベ・エマーユと言う七宝の技法で作られているのです。フラットな面ならまだしも、これだけ凸凹のある面を彫って美しい曲線を彫り残すことがどれだけ難しいことか、当時の第一級の腕の職人ならではの巧みな仕事だと断言出来ます!
 しかも表裏全く同じ仕事で側面も上下の縁もすべて同じ技法のエナメルを施してあるのですから、どれだけの時間と神経を使って作ったんだろうと思うと本当に不思議です。
 この画像では蓋と本体の間に隙間が開いているように見えますが、ピッタリ閉めるとどこから開けるのか解らないほどの精巧な作りですし、全体が程良い曲線で構成されているので、掌にぴったり納まる心地良さを感じます。それに金の値段が
ものすごく高価であった時代に、心地良い重量感を感じる程金を贅沢に使っているところにも、このヴィネグレットが当時としてもどれだけ高級な物として作られた物かが解りますね。

 このヴィネグレットは、素敵なジュエリーとして身につけて楽しめるところも大きな魅力です。僕は数百万円の宝石を使ったアンティークジュエリーよりも、こういう今では作り得ない素晴らしい仕事の価値で評価される物を扱ってゆきたいと思っています。

 アンティークの良い物ほどそれを作ることを考えれば、現代の高価なだけの有名ブランド品などと比べて、如何に安いかが お解り頂けると思います。現代にも1点物と称する物はありますが、それは単に1点だけしか作らないだけであって、このヴィネグレットのように、今となってはどんなに頑張っても作り得ない物とは違うのです。

 このヴィネグレットもそうですが、今まで見たことの無い小さな美しい物は画像だけでは本当の魅力は伝わらないものです。ご来店可能な方は、売れてしまわいうちにどうぞ、実物を手にとってご覧になってください。アンティークの良い物を見分ける目を育てるには、当時の一級品として作られたこのヴィネグレットのような優れた作品を、実際に手に持って間近に見たり触れたりすることが大切なのです。本や美術館のガラス超しでは駄目なのです・・・。


ヴィネグレット ペンダント
シャンプレーベ・エマーユ、18k
フランス 1830年頃
3,7cm×1,7cm
×0,9cm

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