インタリオ リング ゼウス アンティーク ジョージアン コーネリアン

この画像はバックライトを当てて撮ったものですが、このような半透明の石のインタリオには裏から光を当てて鑑賞する楽しみがあるのです。それはストーンカメオには無いインタリオならではの楽しみですし、半透明の石のインタリオは見る角度(光の当たり方)によって表情が変化するので見ていて飽きません。
昨夜もこの画像をつまみにお酒を飲んでいたらすっかり時間を忘れてしまってベッドに入ったのは3時頃でした。(笑)

しかし、インタリオには不思議な魅力を感じますね。歴史上最も解りにくい芸術、知られざる芸術だと僕は思っています。このインタリオもたった1,6cm×1,4cmの石に彫ってあるので肉眼ではどんな彫りなのかさっぱり解らないのですが、でもこうして拡大して見ると驚くべき細密な彫りで眉毛、目鼻、髭、そして蛇がからみついた王笏などを見事に表現してあるのが良く解ります。僕は20数年前に初めてインタリオを見た時、カメオに比べて一見どんな彫りなのかも解らないインタリオの魅力ってどこにあるんだろうって思っていましたが、その本当の魅力を知ってからはすっかり虜になってしまいました。インタリオの魅力はカメオよりずっと難しい技術が必要な事とインタリオならではの繊細な表現力にあります。なにしろカメオ(浮き彫り)とは逆の沈め彫りなのですから、目で確認して彫っているのではないのです!! すべて感だけで彫っているのです。このイラストでインタリオの彫りの難しさが解るかも知れません。
昔は写真なんてありませんから、彫った後で粘土に押し、カメオ(浮き彫り)になった像を見て初めてその彫りがどんな彫りなのかが解るのです。
カメオでは限界のある小さな細密な彫りがインタリオなら可能なのです。だからインタリオはほとんどが指輪にセットするような小さな作品であり、カメオの指輪
がブローチなどに比べて圧倒的に少ないのはその為なのです。カメオは人に見られることも意識して付ける一般的なジュエリーとしての魅力ですが、インタリオは
全く違います。人に見せるジュエリーではなく自分の美意識を満足させるだけの上質の贅沢を楽しむ物だからです。それだけに当時は貴族の男性のシンボルのような指輪で、この指輪もサイズ11ですが、男性の小指にはめるために作られた指輪なのです。もちろん現代では男性だけの指輪にしておくなんてもったいないことですね。このようなインタリオの魅力を理解出来る欧米人の女性は少なくても、日本人の女性ならその小さな芸術を理解出来る人たちはずっと多いのですから。
インタリオは沈め彫りなだけにカメオよりぶつけた時にキズがつきにくいという実用的な利点がありますから、仕事中にも付けられる利点があります。
いつどんな時にも指にはめて自分だけの歴史を感じる美術品として楽しめるのは素敵なことだと思いますね♪

次ページでその見事な彫りと石の美しさが解る画像をご覧になって頂きましょう♪

インタリオ リング
「ゼウス」
コーネリアン、ハイキャラットゴールド
イギリス 1810年頃


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