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このカメオは拡大すればする程その美しさが解ります。全体に透明感のある変化に富んだ石を使ったこれだけのアーティスティックな表現は、見る者を圧倒する力があります。彼はその変化に富んだ美しい石を見て、石をカットする前に後頭部にベールを被った王妃らしき女性のイメージが浮かんだのだと思うんです。このような石の使い方は19世紀のカメオには見られない特徴で、カメオがまだ一部の上流階級の人たちの物だった時代を感じさせます。 どんな物にも言えることですが、買う側のレベルが下がると良い物は作れなくなってゆくということです。 後頭部の濃いオレンジのベールの縁には細い縞模様が入り、それがアクセントして効果的な役目を果たし実に美しいグラデーションとなっています。 細部のディテールを適度に略した彫りはモダンな感じを与え、19世紀の有名な作家、サリーニなどのの高価な作品などより、僕は数段アーティスティックな優れた作品だと思っています。 ハードストーン・カメオやインタリオの優れた作品は、インスピレーションが浮かんで来るような、極めて貴重な美しい石に出会った優れた才能を持った作者だけが作れる物なのです!! そしてそれを評価してくれる美しい物を見抜く目を持った人たちが顧客にいないと作れる物ではないのです。 僕はこのような古い時代の優れた作品を見ていると、ノーサインの物でも素晴らしい作品が多いアンティークジュエリーの仕事の醍醐味を感じます!! |
「ベールを被った王妃」 イタリア 18世紀後期 2カラーバンデッドアゲート カメオ オリジナル18kシャンク付 サイズ 11,5(変更可能) 2,6cm×1,2cm |