ローマンモザイク ブローチ

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ローマン・ミクロモザイク ブローチ
ガラス、18K
タテ4,8cm×ヨコ6cm
イタリア 1830年〜1840年頃




微妙なグラデーションカラーのガラスを、まるで細い筆で描いた絵画の様に立体 的に、表現しているこのモザイクは、<比類無き芸術>と言えるでしょう。 人の手と感覚による表現は果てしなく、モザイクにおいては、この時代の頂点を 極めたとも言える研ぎ澄まされた作品です。 見れば見るほど吸い込まれるような緻密さと完全な配色による陰影は、パンと山羊の躍動感がより豊かにし、今にも踊り出しそうですし、 特に、山羊の毛並みの表現の美しさは素晴らしく、白からグレー、ベージュの難しい配色をこの小さな世界に余すところ無く表現されています。 拡大画像を見ても驚きを隠せませんが、数メートル離れたところからでも、この モザイクの立体感と奥深さは伝わってきます。
本当に良い物は、遠くからでも光を発し、見る人の心を打つものなのでしょう。この作品は同時代のミクロモザイクの作品と比べても、その芸術性において圧倒的な差があるのです。それは当時の名画を再現した物とは違って、古代ギリシャのイメージで制作されたオリジナリティーを感じるからです。この作品の為にモザイクガラスから作っているところが素晴らしいのです。そして このアンピール様式(ナポレオン1世様式)の格調高いフレームは、金が非常に高価であったにもかかわらず、厚みのある金の板から古代ギリシャ風の模様を深く鋭く彫りだしているのです。このモザイクが最も美しく見える理由は、プレーンなローマ風モチーフを使った 職人技だけのモザイクではなく、その時代のアーティスト(画家や彫刻家)がオリジナルのデッサンを起こし、モザイクガラスの色を造るところから、関わり、 最後まで職人に指示していると考えられるほどの、ガラス色の微妙さと美しさです。 また、物を見る力が備わった芸術家のデッサン力の素晴らしさが、この構成のバ ランスの良さをみれば判ります。 数え切れないほどの色で陰影を出すことが、奥行きをバランス、光と影の演出を 行い、このモザイクを一つのアートをしていることは、拡大画像を見ていただけ れば明らかでしょう。素晴らしいモザイクと素晴らしいフレーム、もう言うこと無しの作品です!!

《参考》
Pan
牧人と家畜の神
パニックの語源
アルカディアの野に住む
山羊に似た脚と角を持つ偉大な神
キリスト教においてのサタンの原形
  (悪の具現化でなく好色な為)
伝説ではヘルメスの息子であり、豊穣の神である。
この神は好色で、エリフや美少年を野山で追いかけまわしていた。 性格は陽気
で活動的だが、反面怒りっぽい。 彼は神や人間に恐怖を与えることが出来、ゼ
ウスとティターンの戦中に、 巻き貝の笛を吹き混乱に落とす。
パニック(Pannic)の語源でもある。






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