カーブドアイボリー 鹿 象牙細密彫り ブローチ ドイツ アンティーク

 カーブドミニアチュール・アイボリー (象牙細密彫り)は正面から見ているだけではその仕事の凄さは解らないものです。
 僕も今回、いろいろな角度から写真を撮ってみて、今まで気が付かなかったことが沢山あるのに驚きました。たぶん、海外のアンティークジュエリーの本などでもこういう写真は掲載されたことが無いと思います。

 
 このカーブドアイボリーは、外側の樹木の部分を彩色してあるのが特徴ですがこのタイプはとても少ないものです。
 
He who is absorbed in making a profit misses all else. 鹿を追う者は山を見ず
 鹿だけを見ていると気づかないのですが、実はこのカーブドアイボリーは、フレームに独特の特徴があるのです。
 彩色された樹木の上にが微妙な立体感を出した木の葉が彫られていて、その下の内側の細かい透かしの部分との間にはちゃんと隙間を開けて立体感を出してあります。
 このカーブドアイボリーの厚さは僅か5mmしかない薄い物ですが、斜め上から見てみると2頭の鹿はちゃんと立体的に彫られているのです
 最後に皆さんがそうだったのかと驚かれることをお話致しましょう。
 それは鹿の今にも折れそうな細い足です。
 これを右側面から見てみると・・・

 皆さん、一通り見て頂いて如何でしたか?
 こんな素晴らしい仕事の物がまだまだ世の中に知られていないんですよ。
 アンティークジュエリーの良い物ほど、まさかそこまでやっているとはという仕事で作られているから、我々現代人は常識を取り去って見る
ことが必要なんだと思います。
 これだけ繊細な彫りだけに完全な形で残っている物はとても少なく、もうすぐ姿を消してしまうんだろうなと思っています。
 このカーブドアイボリーは上部の2枚の葉の内、右側の一部が欠けていますが、これほどの希少価値のあるものだけに充分許される範囲のことだと思います。言われないと気が付かないようなことですしね。

 これは細工物のお好きな方にはぜひ、お勧めしたい品です。いづれ近い将来、姿を消して買えなくなってしまうものですから・・・。
 


カーブドアイボリー ブローチ
象牙
ドイツ 1830年〜1860年頃
サイズ 4cm×3cm 厚さ0,5cm





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