トワエモア リング ラブジュエリー 婚約リング


【トワエモア】
真珠、オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、18K、シルバー
フランス 1880年頃
サイズ 12


 トワエモア(貴方と私)とはなんと美しい響きの名前なんでしょう。
同じ大きさの真珠(女性)とダイヤモンド(男性)を仲良く並べて斜めにセットした デザインは、如何にもフレンチらしい愛をテーマにした指輪と言えます。
 宝石の中で最も柔らかでデリケートな真珠を女性に見立て、最も硬いダ イヤモンドを男性に見立てた発想が良いですね。
だから僕もこんな画像を作ってみました。 このようにエレガントでありながら個性的でもあるのが、イギリスの指輪にはないフランスらしいデザインだと思います。
 全く質感の違う同じ大きさの真珠とダイヤをペアで使うのは、デザイン的には?なのに見事に調和しているのは、デザインだけでなく、真珠とダイヤの雰囲気が現代の物とは違うからです。この真珠は誰もが綺麗ですねと言いますが、現代の量産された
養殖真珠にはない自然な美しさがありますし、ダイヤも現代のブリリアントカットにはない、オールドヨーロピアンカットならではの優しい輝きがあるからこそです。 (天然の真珠と養殖真珠の違いと、現代のダイヤとアンティークのダイヤの違いにつ いては日を改めてお話致します)
 シャンクも鍛えた金ならではの優美な繊細な物で、中に溝を彫ってアクセントを付 けた繊細な物で、中に溝を彫って強度を保つと同時に、デザイン上のアクセントを付 けてあるのも気がきいています。材料の金属を叩いては熱し、叩いては熱しを繰り返すことで鍛え、丈夫な材質にし製作するところが、現代の指輪と根本的に違うところです。現代の指輪がごつい印象になってしまっているのは、金属を鍛えることを省き、型に入れて鋳造しているからで、鋳造することによって手間をはぶいて量産するのが目的だからです。鋳造した物はもろいので、どうしても全体的に肉厚で、ぼてっとしたボリュームたっぷりなだけが取り柄のエレガントさに欠けたデザインになってしまっているのですが、アンティークの指輪を見なれない人たちは、現代の指輪に比べてシャンクが細いのに物足りなさを感じるようです。それは現代のごついデザインに慣らさ れているからなのに・・・。
 このトワエモアの指輪がエレガントな雰囲気を持っているのは、繊細で優美なシャンクが重要な役目を果たしているからなのです。

《参考》
この指輪のダイヤはオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドの特徴が良く出ています。テーブル(上部の平らな面)が小さくキュレット(底部の先端)を大きくカットしてあるのが解ります。





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