【ゴールド ローズ】 オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、18k、シルバー サイズ18(変更可能) フランス? 1880年頃
アンティークの指輪は、なんと言ってもシャンク(腕)の美しさにあると言えます。 この「ゴールドローズ」の指輪はその典型的な例で、厚い金の板にバラの花を これだけ深く立体的に彫ってある指輪は、過去に扱った指輪でも1つぐらいで、他には記憶にありません。 シャンクを真横から見るとバラの後方には美しい曲線も彫られているのが解ります。 今なら型を作って鋳造するでしょうが、それではバリが出るので凹の部分がすっきり しなくて綺麗に見えないのです。この指輪はホワイトゴールドで作られた鋳造ですが 透かしの部分にバリが残って汚い感じになっているのが解ります。 鋳造は手間を省いて早くたくさん作るためにやる訳ですから、ヤスリでバ リを綺麗に取って仕上げることは、手間が掛かりすぎて出来ないのです。 バラの凹の部分にはヤスリをかけられないので、綺麗に仕上げることは出来ないので す。アンティークの指輪でもこのような彫金を施している指輪が極めて少ないのは、 当時でもこのような仕事が出来る職人がとても少なかったからで、高価な石を使った 指輪とは全く違う素晴らしい職人の技に価値があるのです。僕はこういう指輪は大好 きですね。 それにシャンクの奥まで模様が彫ってあると、正面からだけでなくどの角度から見て も美しいのが魅力です。 シャンクの左右の根元の上下に小さなローズカット・ダイヤ モンドがセットされているのが解りますが、これはデザイン上とても効果的であり、 この指輪により美しい印象を与えているのです。 この指輪はバラの素晴らしい彫金だけでなく、このようにさりげなく難しい仕事がな されているところが良いですね。
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