テイパール　ブローチ アールヌーボー テイパール（スコットランド　テイ川産）、クッションシェイプ　オールドヨーロピアンカット・ダイヤモンド、ローズカットダイヤモンド プラチナ＆ゴールド フランス　1900年〜1910年頃

僕はこれを見た時は本当に驚きました。本で読んで知ってはいたけれど、川でこんなに美しい真珠が採れたとは・・・。 　天然真珠としてはかなり大玉で綺麗な真円、しかも色はグレーがかった実に美しい真珠でしたから。 　プラチナを使っているからアールヌーボーの後期ですが、左右非対称の流れるようなデザインにアールヌーボーの特徴が出ています。下部の４個の真珠を大きさを変えることでリズム感を出し、それをつなぐ細い線はナイフエッジと言ってプラチナと金の板を合わせた物を縦に使っているのです。 　上部の二つの大きなダイヤモンドは普通のオールドヨーロピアンカット・ダイヤモンドと違う、ソファーのクッションのような独特の形のダイヤを使っていますが、この辺にこの作者の素晴らしいセンスとデザインの能力の高さを感じます。第一級のアンティークジュエリーは素材、仕事、デザインの三拍子が揃っているものですが、これはそのお手本のようなジュエリーだと思います。僕は30年間でもう一つテイパールのブローチを扱っていますが、これはバロック真珠（後日UP致します）でしたから、テイパールの真円真珠はこれが最初で最後だったんだなあと思っています。 裏側ももちろんとても綺麗な作りですのでご覧ください。