ステップカットのダイヤモンドはとても贅沢なダイヤモンドです。 何故かって?? それはあまりキラキラ輝かないから・・・。(笑) まあ冗談は抜きにして、でも本当にブリリアンカットのような華麗な輝きはないのです。でも派手な輝きではない、シックな輝きがあります。 ある角度から忘れた頃にきらっと鋭く輝くのです。このカットの場合は輝きの強さが魅力なのではなく、ダイヤモンドの光沢感のある透明感が魅力なのです。このカットの場合は、傷や色が目立つので相当良い石でないと欠点が目立ってしまい魅力のないものになってしまいますから、贅沢なカットであると言えるでしょう。 実はアールデコのジュエリーの買い付けで一番難しいのはこのデザインの指輪なんです。 このカットのダイヤモンドだけなら今でもありますし、デザインもよく似た物があります。現代の物との違いは石止めやシャンクの作りの微妙な違いと、似ているけれどやはり微妙に違うデザインということになるからです。 ステップカットのダイヤモンドは、デコの時代から始まったと思われる方も多いでしょうが、実はダイヤモンドが初めてカットされて間もない16世紀頃のダイヤモンドはこのカットの石が多いのです。考えてみればブリリアンカットのように数学的な計算も必要のない、単純なカットですからね。 でも、面白いですね、500年前に使われていたカットがその後400年以上も忘れられた存在であったのに、1930年頃にまた復活するのですから。
ページトップ