僕はあらゆるアンティーク、いやすべての美術品の中でアンティークジュエリーほど面白い物は無いと思っています。
何故なら
1.ありとあらゆる材質の物が使われている。
　宝石、貴金属、あらゆる金属、木、ガラス、樹脂、磁器、貝、動物の爪、牙、角、鳥の羽等々・・。
　これらの素材は、1960年代からの大量生産大量消費により、地球の自然環境が破壊され、上質の物が少なくなっているか、全く無くなっているのが現状ですが、僕が扱っているアンティークジュエリーが作られた時代は、自然が豊かだっただけにこれらの素材も豊富にあったのです。だからアンティークジュエリーには今では考えられない程のありとあらゆる素材が使われていますし、上質の素材が使われているのです。

2.ありとあらゆる技術が使われている。
ありとあらゆる材質があるということは、それを加工する為のありとあらゆる技術があったということなのです。

3.ありとあらゆるデザインがある。
ファッションとの深い関係と、ジュエリーを使う目的が違って来たことにより、ありとあらゆるデザインがあるのです。

4.永遠に輝き、耐久力のある素材、金を使っている。
地球上で最も耐久力があり、美しく、細工がしやすい希少価値のある金は、数千年の時を経てもその輝きは永遠に変わらないばかりか、表面が摩耗することで古の味が出るのです。

5.ジュエリー以外のアンティークに比べて圧倒的に多数の物が残っている。
例えば古代ローマ時代の物でインタリオや金の指輪以外に残っている物はほんの僅かしかありません。ほとんどの物は破損したり火事で焼失したりで残っていないのです。ジュエリーでも指輪以外の物は溶かして作り直しされている場合が多いので極めて少ないのです。
希少価値があり、耐久力のある素材を使っているのと、小さな物なので戦争や災害時でも持って移動が出来たから、他のアンティークに比べて圧倒的に数が多く残っているのです。

数千年の歴史のある美術品を現代に生きる私たちが、毎日の生活の中で使って楽しめる物
なんてアンティークジュエリーしか無いのです！

現代のジュエリーは、今のファッションに合わせて作っていますから、ファッションが変われば唯の古くさいだけの流行遅れになるだけですが、僕が選んだアンティークジュエリーは流行を超えて残って来た価値あるジュエリーです！
しかも大切に使えば、次の世代にまた残ってゆくのです。
母親が愛したジュエリーを愛しい我が子に残すなんて、何て素敵なことでしょう。