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カーブドアイボリーの故郷は、スイスの国境に近いドイツのシュヴァルツヴァルト(ドイツ語で黒い森)地方のアーバックという街です。シュヴァルツヴァルト西部には温泉保養地として知られるバーデン・バーデンがあり、自然に恵まれた地方です。こんな素晴らしい自然の中でカーブドアイボリーが作られたことを知ると、僕も何だか嬉しくなります!♪ |
冬の厳しい地方なので、象牙細工、鳩時計、おもちゃの製造などの精密産業でも知られています。そもそもは、厳しい冬の降雪期をしのぐために発展していったと考えられ、フルトヴァンゲンにあるドイツ時計博物館では、時計産業と時計職人の歴史が紹介されています。シュヴァルツヴァルトのカーブドアイボリーは、日本で言えば北海道のアイヌの木彫りのような物だと思います。だからこの鹿のブローチのような素晴らしい作品でも、ブローチの金具に金を使っていないのです。 この鹿のブローチのような人間業と思えない超細密彫りは、研ぎ澄まされた神経と高度な技術が必要です!それが出来たのはこの画像のような厳しい冬の中で生活していた人たちだからこそなのでしょう。 |
美しい湖や森の豊かな自然の中で生きて来た人たちだから感性も豊かだったのだろうなと思います。 |
黒い森と言われる美しい森や川などの自然に恵まれたシュヴァルツヴァルト地方には、当時は沢山の鹿が生息していたので、森の中の鹿をモチーフにした象牙細密彫りが作られるようになったのだと思います。カーブドアイボリーを作っていた人たちは、鹿は食糧でもあった身近な動物だったでしょうし、鹿の生態や体も良く知っていてから、これだけの見事な象牙細密彫りが作れたのだと思います。 19世紀のヨーロッパのカーブドアイボリーは、フランスやイギリスでも作られていますが、花や植物をモチーフにした物が大半で、彫りもシュヴァルツヴァルトの鹿のような細密な物ではないので、アクセサリーとして付けやすくはあっても、職人の高度な技に感動するような物ではありません! 僕はカーブドアイボリーの故郷シュヴァルツヴァルトがこんなに美しい自然に中にあることを知って、いつかは行ってみたいと思いました。カーブドアイボリーの鹿を身に付けて、19世紀にカーブドアイボリーの鹿を彫っていた人たちの子孫に会い、これは貴方達の先祖が作った物なんですよと、酒でも一緒に飲んでお話したら楽しいでしょうね・・・。 |
カーブド・アイボリー 『黒い森の鹿』 ブローチ ドイツ(シュヴァルツヴァルト) 19世紀中期 5,7cm×5,4cm 重量11,8g Sold カーブドアイボリーの鹿としては、久しぶりの名品です!! 黒い森を歩く二頭の鹿を巧みに彫っています。 牡鹿と牝鹿の体つきの違いを巧みに表現していますし、牡鹿を一番手前に彫り、その奥に牝鹿をそして一番奥に変化に富んだ形の樹木を彫った立体感を巧みにに出した彫りは、数あるシュヴァルツヴァルトのカーブドアイボリーの中でも、特に秀でた彫りです!! 一枚の象牙の厚い板からすべてを彫り出した物なので、美しい曲線と植物を組み合わせたフレームは厚みがあり、そのへこんだ部分二頭の鹿と森の情景を彫ってあるのです。 だから二頭の鹿がこれだけ細密な彫りでも、周りの厚みのあるフレームに守られていることで、150年もの年月を経ても完全な形で残っているのです!! 下部に植物を彫った優美なフレームの中に黒い森の二頭の鹿を鹿を配した構図は、カーブドアイボリーの鹿での中でも、名人級の彫り師が特別に作った作品であることを伺わせます! このカーブドアイボリーのような、小さくて繊細な細工物ほど、工芸としては高く評価されるのです! そしてその魅力が世界中で一番分かるのが日本人なのです!! これだけの作品は、身に付ける時は現場に着いてから付けるべきで、身に付けたら決してギュウギュウの満員電車などに乗ってはいけません(笑) 付けない時は額にセットして壁に飾ったら下手な版画や絵画よりずっと楽しめるという物です。 僕はいつも思うのですが、こういう細工物は、宝石を使ったジュエリーに比べて値段が安すぎると思いますね。 裏を見れば、厚みのある象牙の一枚板から彫ってあるのが良く分かります。 表面から見ると、繊細な彫りで壊れやすそうに見えますが、150年もの年月に耐えて残るだけの丈夫さも備えているのです。 sorの文字は、これだけ優れた作品なので、作者のサインかも知れません。 |
カーブドアイボリーの傑作! 『馬と人物』 ドイツ 1840年〜1850年 6,3cm×5,7cm 重量 10,2g SOLD 初めて見る大変珍しい構図のカーブドアイボリーです!! 二頭の馬の手綱を持った人物と馬が何かを見て驚いている様子なのでしょうが、人物を後ろ向きにすることで、 迫真力のある彫りになっています!! これは希に見る素晴らしいカーブドアイボリーです!!♪ 画像をクリックしてご覧ください。 |