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この三つの小彫像はaが2,8cm、bが2,9cm、cが2,48cm と、とても小さなゴールド小彫像であることを忘れないでください。 |
A 古代ローマ ゴールドペンダント 『イシス・フォルチュナ』(幸運の女神) 古代ローマ 350AD 22ct〜23ctゴールド 重量9,1g 2,8cm×1,1cm Sold |
幸運の女神「フォルチュナ」をかたどった金の小彫像です。 大きさ3センチ弱の金無垢で、手に持つとズシリと心地よい重みを感じます。しかも、その金は 約1700年の時を経て、表面が艶消しを施したかのような質感になっています。 一度しか使えない古代の蜜蝋の型で作った物を彫金して丁寧にディティールを仕上げています。顔の表情や体を少しひねって衣服のドレープが美しく出ている様子など、実物を手に取って見るとよく解ります。 彼女の右手の船の舵は、人間の人生を支配していることを指し示し、左腕に抱えたコルヌコピアは、豊穣と繁栄のシンボルです。 |
B ゼウス・セラピス 小彫像 古代ローマ、2世紀AD 金 (2.9cm) Mrs. Frank Knox 1953年寄贈 メトロポリタン ミュージアム所蔵 |
セラピスは元来、プトレマイオス朝エジプトの統治者が構成したもので、地域の神、オシリスとアピスを合成したものです。 徐々に大きな範囲に広まったイシス信仰に融合されていたが、セラピスは天国の支配者ゼウスと地下世界の神ハデスの姿でローマ世界全体で崇拝されました。 この小さな像は、エジプトのモディウス(穀物の秤)の冠を乗せ、豊富な食料をもたらすコルヌコピア(豊穣の角)を持っています。 |
C ゴールドペンダント 『ハルポクラテス、アヌビスとホラスの鷹と共に』 古代ローマ 2世紀(グレコ・ローマン) 2.48cm× 0.78cm× 0.2 cm Walter 美術館所蔵 |
ハルポクラテス、またの名を”子供のホラス”は、イシスとオシリスの息子で、耳の前に垂れ下がった巻き毛と指をしゃぶっている姿の小さな男の子として表されています。彼は、コルヌコピア(豊穣の角)、前に三日月の付いた上下エジプトの冠をいただき、豊穣を表す様々な物が伴われています。 |
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AとCは裏にペンダントとして下げるための金具が付いています。 (Bは裏の画像が無いので分かりません) 唯、金具の位置が中央部なので、普通のペンダントのようにチェーンに下げて使った物ではなく、衣服のどこかにお守りとして下げた物かも知れません。 僕はこのイシス-フォルチュナは、名人X師ならペンダントして使えるような金具が作れると思っています。 もちろん本体を全く痛めずに、全体を石に見立てて爪で押させる方法です。 古代ローマのゴールドペンダントを首に下げるなんて最高でしょ!♪ |
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このイシス-フォルチュナの小彫像は、蜜蝋を使った鑞型による一点物の鋳造で作られてタガネで仕上げしてありますが、約1,600年〜1700年もの時を経た古のゴールドの輝きは何とも言えない魅力があります!♪ 古代ローマの指輪やインタリオルースはずいぶん扱って来ましたが、このようなゴールドペンダントは初めてです! これはコンピューターを使った金属検査機で純度を測っていますが、通常の22ctゴールドよりも少し純度が高い金が使われていることが分かりました。 |
幸運の女神ローマ時代のペンダントには、装飾の目的の他に、お守りとしての意味があります。 幸運の女神は船の舵やオール、コルヌコピア(豊穣の角)を持った姿で描かれ、ギリシャ神話のテュケ(Tyche)に相当します。 フォルチュナはアメリカの経済誌「フォーチューン」の英単語 Fortune の語源ともなっています。フォルチュナのペンダントはきっと貴方に幸運をもたらしてくれることでしょう!!
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フォルチュナ(テュケ)像 紀元前4世紀のギリシャの彫刻をローマ時代に模刻したもの。(ヴァチカン美術館) |
(下)大英博物館のギリシャ、エトルリア、ローマの宝飾品のカタログに、この金のフォルチュナと同じタイプの像を発見しました。 ページ左上の 3014 に、金のフォルチュナの小像が載っています。(1867年 ブラカス侯爵のコレクションより寄贈) フォルチュナの左の二つはエジプトで信仰されている神をかたどったお守りです。両方とも外側は金ですが、3010は空洞で3011は硫黄が詰められていました。(硫黄は凝固しても体積が変わらないので、古代によく詰め物として使われました。) |
(左)No. 3014 の拡大画像。 高さ 2.1cm 金無垢で、ドレイプのあるキトンというローマ時代の服とマントル(外套)を着ていて、右手に船のオール、左肩にコルヌコピアを背負っている。裏には細工がなく、吊り下げるための輪が付いている。Blacas Coll. 1867. |
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ルネサンスで扱っている物よりも、 小さい物だと解ります。
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このようなペンダントのサイズの彫像は非常に珍しく、ほとんどの小さい彫像はブロンズでできた5cm以上の物なのです。 下の彫像は時代と場所が異なる物ですが、珍しいので参考に載せておきます。 |
ウェセックス 15世紀後期〜16世紀 金属探知期で発見された中世の金の彫像。 |
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フォルチュナ(フォルトゥナ)を含んだブロンズの肖像。
ブロンズの物は身につけるというよりは、食卓などに飾った物です。