カンティーユ(金の刺繍)

シトリン ネックレス アンティークジュエリー このネックレスには、カンティーユ、グラニュレーション(粒金)、レポゼ(打ち出し)の技法が使われています。

シトリン ネックレス
フランス 1830年頃
シトリン、18K
クロス 5cm×4,6cm
チェーンの長さ41cm
重量29,9g
Sold
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カンティーユ レポゼ 打ち出し 粒金 アンティークジュエリー

1750年代に起きた産業革命で経済が活発になり、金の需要が高まっているのにも関わらず、長い間新しい金鉱脈が発見されず金価格が暴昇していた時期に、少ない金で、見栄えのするジュエリーを作る為にフランスで開発された技法がカンティーユで、刺繍という意味です。
刺繍のような繊細な美しさからカンティーユと呼ばれるようになったのでしょう。

カンティーユの細工は、拡大画像のAを見れば分かるように、直径2mmにも充たないとても小さな円形状に、極めて細い金線を15〜16本も蝋付けしてあります。
一つだけでも手間が掛かるのに、これが100個以上もあるのですから、大変な手間を掛けているのです。

1900年代初頭に革命的新素材のプラチナが登場して、1917年の第一次世界大戦が終わるまでに期間は、プラチナの価格が今の数十倍も していたので、この時代のプラチナのジュエリーはプラチナと金の板を貼り合わせていますが、こんな手間の掛かることをしたのはプラチナが如何に高価だったかの証です。

プラチナが使われ始めた頃が今の数十倍だった訳ですから、1800年〜1848年の間の金の価格も同じように今の数十倍はしていた筈です。今も金は戦後最も高くなっていますが、そんなものは1800年〜1848年の間の金の価格に比べればたかが知れています。

カンティーユは金が猛烈に高かったから出来た技術で、粒金や縒り線のように古代からあった技術ではありません。
カンティーユは1800年〜1848年の期間にだけ作られた物で、ゴールドラッシュが始まると、金の価格が一挙に下がるので姿を消して行くのです 。
粒金と縒り線はその後も作られていますが、20世紀初頭のプラチナの登場とともに徐々に姿を消して行きます。
粒金や縒り線は1848年以降も作られているのに、カンティーユが姿を消して行ったのは、それだけ手間の掛かる難しい細工だったからに違いありません。

シトリンとシトリンの間の木の実(ザクロ)のパーツは、裏の画像で分かりますが、薄い金の板を裏から打ち出すレポゼという技法で作られています。これも少ない金の量で見栄えがするようにと使われたのですが、1848年以降のゴールドラッシュ以降には、中級以下の粗悪なゴールドジュエリーでも使われています。

9金ぐらいの純度の低い薄い金の板をプレス機で型押しした物に24金メッキを施した見るに堪えない悪趣味の物があるのです。これは大型のジュエリーで見た目には重そうに感じるのですが、手に持ってみると意外な程かるく如何にも安物という感じです。しかも裏の仕上げも雑で如何にも儲けだけを重視して作った物だと分かる仕事です。

こういう下手物が一時期、日本のデパートのアンティークジュエリー・フェアで人気商品として販売されていたんですからね〜(笑)。アンティークジュエリーだからと言って、全部が良い仕事で作られている訳ではないのです。
よ〜く選ばないと高いお金を出して悪趣味のヴィクトリアン・ジュエリーを付けることになってしまうのですから・・。

カンティーユ アンティークジュエリー
裏

《もう一つのカンティーユ》

ジョージアン ゴールドネックレス ゴールドメッシュ&カンティーユ ネックレス
ハイキャラットゴールド(約18K)、エメラルド
シトリン(黄水晶)
イギリス 1820年頃
SOLD
手で編んだ弾力性のあるメッシュの素晴らしいネックレス。
そしてクラスプは人間技とは思えない驚異の仕事がしてあるのです。

カンティーユと粒金それに彫金と縒り線の見事なコラボレーション

クラスプ カンティーユ 粒金 Aの金の板の縁にミルを打ち、渦巻き状にした物もカンティーユの一種です。

このネックレスはカンティーユの他に、粒金、縒り線、彫金それにすべて手で編んで作られた素晴らしいメッシュが使われていますので、ぜひご覧下さい。
ゴールドメッシュ&カンティーユ ネックレス
カンティーユ

《カンティーユを使った美しいジュエリー》

カンティーユのシトリン ネックレス ピアス
イギリスで言えばジョージアンですが、フランスの同時期のハイクラスのジュエリーは違うものだと実感出来る、オープン・セッティングの美しいシトリンを使ったネックレス&ピアス!!しかも目を見張る繊細精緻なはカンティーユは本場フランスのジュエリーならではの出来映えです!!絶品で〜す!♪
Sold
カンティーユ ネックレス アンティーク
カンティーユの本場フランスならではの見事なカンティーユのネックレスです!♪
Sold
非加熱シトリン アンティークジュエリー
シトリン(黄水晶)は本来、貴重な石で人気が高かった美しい石です!
それは19世紀初期のカンティーユなどの見事な金細工のゴールド・ジュエリーに好んで使われていることからも分かります。
Sold
ジョージアン カンティーユ クロス・ペンダント
画像をクリックしてご覧ください
ジョージアン カンティーユ クロス・ペンダント
天然真珠、トルコ石、15〜18K
5cm×4cm(バチカンを含む)
19世紀後期のケース付き
イギリス 1830年頃
Sold
これぞジョージアン!
カンティーユの繊細で軽やかな美しさは日本人の琴線をくすぐります。

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