アールデコ　アンティークジュエリーと小物

《アールデコのジュエリーと小物》
日本の大正時代から昭和初期


アール・デコ（Arts Decoratif）とは、一般にアール・ヌーヴォーの時代に続き、ヨーロッパやアメリカを中心に1910年代半ばから1930年代にかけて流行した装飾で、アールヌーヴォーのように提唱者がいた芸術運動とは違い、自然発生的な流行です。直線的で幾何学図形なモチーフや、赤と黒などの原色による対比表現などが特徴です。アールデコ以前のファッションやジュエリーの世界では、黒は喪のイメージでしたが、アールデコでは、黒を色彩として意識的使うになるのです。アールデコは1925年のパリ万国装飾美術博覧会で花開き、当時、遺跡の発掘で注目された古代エジプト美術の装飾模様、アステカ文化の装飾、日本や中国などの東洋美術など、古今東西の様々な装飾の影響が見られます。 19世紀末のアール・ヌーヴォーは植物などを思わせる曲線を多用した有機的なデザインでしたが、自動車・飛行機や各種の工業製品、近代的都市生活といったものが生まれた時代への移り変わりに伴い、世界中の都市で同時代に流行し、大衆に受け入れられたされた装飾でもあります。

アールデコ前期のブローチ
第一次世界大戦が終わる1918年頃から1920年代

アールデコ後期の指輪
1930年代

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このブローチ＆ペンダントのデザインと作りは正にエドワーディアンというイメージですが、これはゴールドバックではなく、プラチナだけの作りなのでアールデコ初期の物です！
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メルマガを申し込まれる時のアンケートに、エドワーディアンが好きですと言われる方が多いのですが、アールデコが好きですと言われる方はほとんどいらっしゃいません！

でもそれは間違った知識により大いなる間違いなのです！
エドワーディアンとアールデコ初期の物はデザインも仕事も全く同じと言える物が多いのです！！違いはゴールドバックかプラチナだけで作られているかだけなのです！！
これも本で得た間違った知識がそう思わせているのです。

アールデコでも後期になると右の指輪のように全く違うデザインになるのです！

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アールデコ後期のジュエリーは、量産を意識した工業製品と思えるような物が多く、そういう物が本などでアールデコの代表的なジュエリーとして紹介されているので、アールデコのジュエリーはごついだけで、アンティークジュエリーの魅力に欠けていると思っていらっしゃる方が多いのだと思います。

でもそんな中にもこの指輪のようにさり気なく高度な技術で作られている物がある事を知っておかれるべきなのです！

きついアールのカリブレカット・ルビー、そしてステップカットのダイヤモンドまでが爪を使わずに留められています！ダイヤモンドのカリブレカットと言える極めて珍しい留め方です！

デザインはまるでアールデコの建築物のような斬新で独創的な物で、現代のジュエリーが古くさく感じるほどです！（笑）
アンティークジュエリーの範疇では、最後の年代の傑作です！

同じアールデコでも前期のエドワーディアンと全く同じデザインと仕事（違いはゴールドバックだけ）の物から、アールデコ後期の現代のジュエリーが陳腐に見える斬新なデザインなタイプまであるのが面白いですね。

アールデコ初期
第一次世界大戦が終わる1918年から1920年代までのジュエリー（大正時代～昭和初期）

このオブジェはDemetre Chiparusの作品で、ディアギレフ率いるバレエ・リュス（ロシアバレー団）のダンサーをモデルにした作品です。顔と手は象牙で他はブロンズにエナメルです。バレーリュスは1909年にパリのシャトレ座で旗揚げをしてから、ディアギレフ死去後の1929年に解散するまでの間、パリを中心として活動し、今日のモダンバレエの基礎を築きました。

公演は各地で大成功を収め、ヨーロッパの芸術界の中で大反響だったのです。主役のダンサーは舞台で狂い死にしたという伝説の天才ダンサー（振り付け師でもあった）ニジンスキーで、『薔薇の精』ではまるで空を飛んだような高い跳躍を見せて人々を驚かせたと言われていますが、映像は一切残されたいないのです。
僕の友人だったジョルジュ・ドンはニジンスキーの再来と言われたダンサーです。

バレエ・リュスに協力した画家・装飾家
パブロ・ピカソ、アンリ・マティス、アレクサンドル・ブノワ、ジョルジュ・ルオー、ジョルジュ・ブラック、モーリス・ユトリロ、マリー・ローランサン、ココ・シャネル、ジョルジョ・デ・キリコ、
このメンバーを見れば如何にバレエ・リュスがヨーロッパの芸術世界に旋風を巻き起こしたかが分かります。