エドワーディアン（ベルエポック）　アンティークジュエリー

《エドワーディアン（ベルエポック）のジュエリーと小物》
20世紀初頭（1900年頃から第一次世界大戦が始まる1914年頃までのジュエリー）
このページの品物はすべて販売済みの品物です

《エドワーディアン（ベルエポック）のジュエリーのセミナー》

イラストレーターが描いたエドワーディアンのファッション画。ヴィクトリアンの重くて厚手の生地とは違い軽やかで薄でに生地を使ったエレガントなドレスなのが分かります。丁度プラチナがジュエリーの革新的新素材として登場するので、ジュエリーのデザインも革命的に変化したという訳です。唯、金や銀ならではの工芸としての面白みを感じるジュエリーが姿を消して行くことにもなるのですが・・・。

特徴
1.
一般的にはプラチナを使い始めた時期ですが、まだ精錬コストが高かったのとプラチナの産出量が少なかったので、表面の薄い部分だけがプラチナで裏面の大部分がゴールド（ゴールドバック）です。

プラチナとゴールドを貼り合わせるのは相当に手間の掛かる仕事なので、今なら考えられないことですが、当時プラチナは今の数十倍もの高価な素材だったからです！（なんにでも例外はあるもので、1850年頃に作られたジュエリーで何とプラチナを使った物もあります。このブレスレットがそうです。）

プラチナは革新的な新しい素材として圧倒的な人気を得たので、金を使ったジュエリーの人気がなくなり、従ってあの魅力的な金細工が衰えて行ったのも事実です。

2.
プラチナは固く粘りけのある金属ななので、金のように彫金するのには向きませんが、小さな石を留めるのには向いています。

だから銀では出来なかった小さなローズカットダイヤモンドを留められるようになり、繊細精緻なダイヤモンド・ジュエリーが作られるようになったのです。
このネックレスが好例です。

3.
プラチナの性質を活かして縁にミル（ミルグレーション）という歯車の歯のようなギザギザを打つことで、繊細な美しさとシャープなイメージを表現出来るようになりました。

4.
カリブレカットの登場、これもプラチナの特性を活かした技術です。

5.
プラチナの性質を活かした細くシャープなラインのジュエリーが作られることになり、繊細で完成度の高いジュエリーが作られるようになるのです。
そしてチェーンも銀では絶対に不可能な繊細で美しい尾ー利ハンドメイドの
物が作ることが可能になったのです。

だからエドワーディアンからアールデコでオリジナルのプラチナチェーンが付いている物は最高にお買い得な物なのです！！

チェーンはパーツ数が多いので、もし手作りで作れば信じられないような手間が掛かかります。今では昔のようなプラチナの繊細な手作りチェーンは絶対に作ることは出来ないのです！もし、作ったらチェーンだけで数十万円の工賃になってしまうからです。（市場価格は軽く100万円を超える）

日本で発行されたアンティークジュエリーの本に、エドワーディアンのジュエリーは繊細過ぎて実用的ではないような愚かな記事がありますが、よくそんな馬鹿げた事をいうものだと僕は怒り心頭です（筆者が日本のアンティークジュエリーの研究者と自称しているのには笑うしかない）（だから僕はアンティークジュエリーの本なんて読む価値はないと言っているのです）。

繊細過ぎて実用性がないのならどうして110年後の現代まで完璧な形に残っているのでしょう？

それは一見繊細で華奢に見えても、今のジュエリーのようにワックスで型を作り鋳造するのではなく、プラチナと金を貼り合わせた板を叩いて鍛えて丈夫な金属にしてあるからなのです！！叩くことで分子が動き強い金属になるのです。

現代のジュエリーと違ってアンティークジュエリーは、見えない又は目立たない部分に圧倒的な手間を掛けて作ってある物なのです！！

僕は常々芸術も工芸も100年経たなければ本当の価値は解らないと言っていますが、現代のジュエリーで100年後に満足な形で残っている物なんて無きに等しく、そのほとんどは石は落ち、金具は壊れるはで見るも無惨な姿になっている筈です。

例え残ったとしてもアンティークジュエリーのように評価されることは無く、
単に古びただけの小汚いない物として地金を溶かして作り直しの運命なのです。たとえ有名ブランドの高価なジュエリーでも・・・。

6.
南アフリカからのダイヤモンドの流通量が増えた時期で、銀よりも白く輝くプラチナ台にダイヤモンドをセットすることで、ダイヤモンドの輝きがより一層発揮され、ダイヤモンド・ジュエリーの人気が格段に高まった時期でもあります。

7.
19世紀以前では重くてボリュームの合ったドレスも、軽く薄い生地が作られるようになり、エレガントで軽やかなドレスが作られるようになったので、天然真珠を使ったジュエリーの人気も沸騰したのです。

だからエドワーディアンからアールデコにかけての時期は、天然真珠とダイヤモンドの組み合わせの洗練された繊細なデザインのジュエリーが流行したのです。

プラチナ＆ダイヤモンドのジュエリーはエドワーディアン＆アールデコの典型的なタイプですが、この二つにはさらにメアンダー模様というデザインの共通点があります。
エドワーディアンとアールデコ初期のジュエリーの違いを知るには丁度良いので、この二つを見比べながらお話致しましょう。（両方ともSold ）

では両方を比較してその違いをお話致しましょう。

リボンシェイプ　ブローチ
Sold
カリブレカット・ルビーで立体感のあるフォルムを際立たせ、リボンの先端の鋭角なラインが、ともすれば甘くなりがちなリボンモチーフのジュエリーを、プレ・アールデコとも言える進化したエドワーディアンという印象を与えているのです。

このブローチの詳しい説明は画像をクリックしてご覧下さい。

画像をクリックしてご覧下さい

ロシアのエドワーディアン様式のジュエリー
『スノーフレーク（雪の結晶）』　ブローチ
ロシア　1910年～1912年
※ロシアのホールマークとフランスのインポート・マークにより確認）
Sold

このブローチはゴールドバックではなく、すべてプラチナですが、プラチナが今の数十倍もしていたこの時代では例外的なことです。この時代のプラチナの産出料が圧倒的に世界一だったロシアならではの贅沢な使い方です。

フランスのジュエリーに負けまいとする、高度な技術と手間のかけ方が感じられます。そして雪国ロシアらしいスノーフレーク（雪の結晶）はお国柄が出ています。